2015年2月14日より全国公開
東映
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「死者を悼む」という言葉は耳にすることがありましたが、実際に“悼む”ことがどういうことなのか、今まで考えたことがありませんでした。本作は、人の死を悼む旅をする主人公の静人を通し、“悼む”とはどんなことなのかを教えてくれる作品です。はっきりと“悼む”とはこういうことですという明確な答えがあるわけではありませんが、本作に登場するいろいろな背景を持つ人々、そして静人なりの悼む行為を観ることで、亡くなった方への悼む気持ちを知ることができます。 主人公の静人を演じたのは高良健吾、静人が旅の途中で出会い一緒に旅することとなる女性を石田ゆり子が演じ、そのほかに大竹しのぶ、椎名桔平、井浦新などが出演しています。どのキャラもそれぞれ複雑な背景を持つ人物ばかりですが、特に強烈だったのは井浦新。今回演じたのは、亡霊として妻につきまとう夫という役柄で、妻の側に急に立っていたり、妻を自分と同じ道へ連れ込もうといろいろと話しかける感じがホラー並みに怖かったです(苦笑)。 本作は“悼む”ことを通して、生と死の両方を考えさせられる作品です。たくさんの登場人物にちょっとずつ感情移入しながら観て、自分自身や周囲の大切な人について考えてもらえたらと思います。 |
悼むという気持ちを知る上では観て欲しいのですが、意外と激しい濡れ場があったり、深刻な夫婦問題も出てくるので気軽にデートで観るタイプの作品ではありません。でもテーマそのものは恋愛や夫婦生活というよりも、生と死に焦点をあてて描かれた物語なので、その点をきちんと理解していればカップルで観ても良いかも知れません。とはいえ、途中で隣が気になってしまう可能性があるので、できれば一人か同性の友達同士で観ることをオススメします。 |
キッズも観ることはできますが、人の死自体がよくわからないと、内容についてくのが難しいと思います。ティーンも中学生くらいなら死の意味もわかり、内容についていけると思いますが、濡れ場に意識が集中してしまいそうな気がするので、思春期を終えてから観て欲しいです。今は誰かの死に直面した経験があまりないかも知れませんが、もし誰かが亡くなったときに、悲しむ以外で自分ができることについて考えてみてください。 |
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■TJE Selection イイ男セレクション/高良健吾
©2015「悼む人」製作委員会/天童荒太
2015.2.3 TEXT by Shamy