2016年11月5日より全国公開
ギャガ
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中学生で付き合っているカップルは、同級生なのにすごく大人に見えましたが、本作に登場する主人公の夏芽とコウはまさにそんな感じ。「田舎もんで中3でそんなカッコ良くクールにキスを奪えるかね〜!?」といちゃもんをつけたくなるほど、菅田将暉が演じるコウの振る舞いがカッコ良すぎて、恥ずかしながらキュンとしてしまうシーンが何度かありました(笑)。一方で、やっぱりまだ子どもなんだなと思えるリアルな描写もあって、ある事件からなかなか立ち直れない主人公達の葛藤に胸が苦しくなりました。この2人はどうなっちゃうんだろうと、遠い将来まで想像して観てしまいましたが、これは“今”を全力で生きる若者のストーリー。そう思って観ると、最後はとても清々しい気持ちになれたし、こんな恋愛も良いなと思えました。運命の相手って、こういうパターンもありそうですね。 菅田将暉、小松菜奈の演技は期待通り、重岡大毅(ジャニーズWEST)も初々しさが良かったです。志磨遼平(ドレスコーズ)の演技は素でしょうか?かなり不気味だったので、普段どんな方なのか気になりました。素にしか見えなかったですが、あれが素ならそれはそれで興味深いです(笑)。山戸結希監督もまだ20代半ばとのことで、まさに若い才能が集結したからこそ感じられるエネルギーも。繊細な人間描写は彼らだからこそ為し得たと言っても良いと思います。 |
カップルで観るには心苦しいシーンが出てきますので、初デートだとどうかなと思いますが、自分達の関係性に置きかえてという内容ではないので、そこまで警戒しなくても良いように思います。中学生から高校生という時期にかけて全力で恋をする主人公達の姿は、良い刺激にもなるはず。大人過ぎると冷静に観てしまう部分もあるかも知れませんが、中高生、大学生くらいのカップルはすごく共感できるのではないでしょうか。 |
キッズにとってはショッキングな展開があるので、もう少し大人になってから観ましょう。中高生は主人公達と同じ世代なので等身大で観られると思います。恋に夢中になる思い、その土地で暮らすのか、いずれ出て行くのかという将来に対する考え、今から考えなきゃいけないのか、後から考えれば良いのか、ちょうど悩んでしまう時期だと思いますが、本作の主人公達が出した答えは、一つのお手本になると思います。 |
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2016.10.17 TEXT by Myson