2014年7月19日より全国公開
東宝
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心を閉ざした12歳の杏奈が心身ともに療養するため田舎に一時的に滞在し、そこでマーニーという金髪の少女に出会います。前半はマーニーが正体不明の少女である点、そして誰にも心を開けない杏奈がなぜマーニーには通じるモノを感じるのかが謎というミステリアスな展開がおもしろいのですが、クライマックスに差し掛かり、急展開でその謎が解けていくと愛いっぱいの人間ドラマに変わります。杏奈の12歳という年齢は大人に一歩近づこうとする難しいお年頃ですが、そういう子ども独特の偏ったモノの見方や、他者も自分も追い詰めてしまうとんがった部分の描き方が絶妙で、子どもが主人公の物語なのに残酷さもある点により共感を覚えました。私自身が小さい頃に観ていたテレビアニメや映画はこういった人生の残酷さもちゃんと描いていたものが多かったし、そこがドラマチックかつおもしろくて、試練があるからこそキャラクターたちに共感し、勇気や希望をもらえたように記憶しています。今は昔話や某長寿人気アニメですらマイルドな表現に変えられたり、キャラクター設定も現代の都合に合わせて変えられていると聞きますが、本作はちゃんと見せるべき人生の現実は見せた上で、救いを描いている点でより感情移入させられたし、観客への信頼を感じます。子どもでも生きていくのが辛いときは誰にでもどんな境遇でもあるというのをちゃんと謳っている点で、主人公と同じ世代の子どもたちも杏奈やマーニーと同じようにいろんな意味で戦う勇気を持ってもらえたら良いなと思います。本作はこの世には必ず自分のことを愛してくれる人がいるということを実感させてくれます。老若男女問わず多くの方に観て欲しいです。 |
恋愛要素はほとんどなく、男女のロマンチックなシーンもありませんが、人間愛に溢れた映画なので、どんなカップルで観ても楽しめます。主人公は2人の少女ですが、大人が観ても充分に没頭できるストーリーです。もし彼氏や旦那さんが家族関係でうまくいっていなかったら、ぜひ連れてってあげてください。客観的な視野が少し広がって、穏やかな気持ちになれるのではと思います。 |
主人公の杏奈は友達がおらずいつも孤独で自分のことが嫌いです。そんなとき同じく孤独なマーニーと出会って杏奈は変化していきます。マーニーは杏奈のことが大好きで、杏奈もマーニーが大好き。杏奈はマーニーに愛されてだんだんと自分を受け入れられるようになります。この映画は、自分のことを大事にする、自分のことを好きになるってとても大切なことだと教えてくれます。そして周囲の人の愛情を受け入れて、自分も周囲の人に愛情を捧げられればすごく幸せになれることも教えてくれる映画です。キッズ、ティーン問わずぜひ観てください。 |
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2014.7.1 TEXT by Myson