誰かに傷つけられた経験があれば、誰でも自分を守るために人と距離を置きたくなります。でも、傷付かないように生きていくのは人の愛情も避けることになります。傷付くことも辛いけれど、孤独に生きることも辛いこと。今回は傷付くのを恐れて孤独に生きる少女の物語をご紹介します。
ツイート思い出のマーニー
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<杏奈が孤独な理由> |
幼い頃に両親を亡くし、養父母に育てられた杏奈は、自分は誰からも愛されていないと感じていて、自分のことが大嫌いだと思っています。だからいつも杏奈を心配する養母の頼子のことも疎ましく思っていて、誰からの愛情も受け入れようとしません。でも、夏に訪れた療養先の海辺の村でマーニーという金髪の少女に会い、杏奈は人を愛し、許すことを知っていきます。杏奈のことを大好きと言ってくれるマーニー。そして、杏奈はだんだんと周囲の愛に気付いていきます。辛い境遇ゆえに、人を信じられなくなった杏奈ですが、彼女の心の奥でつっかえていたのは、結局愛する人への愛情。人生には出会いと別れがあるけれど、もし誰かと離ればなれになっても、それは愛されなくなったということではないのだということを教えてくれる物語です。 |
好きっていいなよ。
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<めいが孤独な理由> |
友達から裏切られた経験をひきずったまま孤独に生きてきためいは、「もう傷付きたくない」という思いが優先し、誰とも仲良くなろうとしません。でも、そんなことに構わずぶつかってくる大和に対してだんだんと好意を持ち始めます。そして良くも悪くも彼がモテ男ということで、めいは傷付くのを避けて彼を突き放すか、傷付いてでも彼と一緒にいるかの選択を何度も迫られます。本作はバリバリの恋愛映画のように見えて、めいが大和という少年に出会うことで人との関わり方をもう一度考え直すという成長物語の側面も持っています。人を好きになると、傷付くこともセットでついてくる、そんな事実とめいはもう一度向き合って克服していきます。めいの姿は、傷付いても誰かを好きになることの素晴らしさを感じさせてくれます。 |
愛があるから傷付く、でも愛が全くない人生なんて味気ないし、辛いだけ。傷付く原因も愛ですが、傷を癒してくれるのも愛です。これが愛だなんて定義はないから、愛をたくさん見つけようと思えば、自分次第でどうにかできるのかも知れません。
2014.7.14 TEXT by Myson