2016年2月27日より全国公開/PG-12
東映
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本作は、『スモーク』『メイド・イン・マンハッタン』のウェイン・ワンによる日本映画初監督作品で、ビートたけし、西島秀俊、忽那汐里、小山田サユリなどが出演しています。サスペンスですが、それよりも深い人間ドラマが展開していく物語で、人々の狂気が上手く表現されているのがおもしろかったです。 ビートたけしが演じた佐原は若い女性と付き合ったり、その女性が眠る姿を毎晩ビデオに記録していて、西島秀俊が演じた健二は、自分の興味から勝手に人の部屋に侵入していたりと、「冷静に考えると変態じゃん!」と思う人物ばかりでしたが(笑)、この映画独特の落ち着いた空気感と豪華キャストの自然な演技により映画の世界観にすんなり入っていけました。 静かな作品ではありますが、それぞれのキャラクターに謎の部分があり、ハラハラしながら最後まで観られました。私は特に忽那汐里と小山田サユリが演じた女性キャラクターの対比が特におもしろいと思って観ていましたが、人によって注目ポイントも変わる作品だと思います。ぜひそれぞれの視点でご覧ください。 |
大人のデートで観て欲しい一作です。本作には倦怠期の夫婦が登場するのですが、この夫婦が初老の男と若い女性のカップルと出会うことでお互いの真実が見えてきます。また、結婚当時は小説家として売れっ子だった夫がスランプに陥る一方で、編集者としてキャリアを積み重ねていく妻の姿からは、男女のパワーバランスも見えてきました。ネタバレになるのであまり詳しく言えませんが、慣れから生じる不満は本当に怖いものです。どんなときでもお互いをわかり合う努力が必要なのかも知れませんね(苦笑)。 |
男女の人間ドラマが静かに展開していくので、キッズにはちょっと難しいかも知れません。できれば大きくなってから観ることをオススメします。ティーンは、忽那汐里が演じた初老の男と付き合う女の子目線で観てください。彼女がどうしてすごく歳の離れた人と付き合っているのか、これから彼女がどんな大人になっていくのかなど考えてみましょう。そうすると彼女自身が一番求めているものがだんだんとわかり、共感できると思います。 |
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©2016「女が眠る時」製作委員会
2016.2.23 TEXT by Shamy