2018年4月14日より全国公開/PG-12
ビターズ・エンド
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ドイツのハンブルグで、トルコ移民の両親のもとに生まれたファティ・アキン監督が、ドイツで2000〜2007年の間に起きた、ネオナチグループによる連続テロ事件に触発され作られた本作。人種差別から外国人を排斥しようとするネオナチの行動は、トルコに出自を持つ監督にとって、より衝撃だったと資料にありました。ダイアン・クルーガーが演じる主人公カティヤは、トルコ人男性と結婚し、息子を一人もうけますが、後に夫と息子はテロの犠牲に遭います。ネオナチのメンバーによる犯行だということがわかり、後に裁判になりますが、犯人とそれを擁護する人達の信じられない言動に唖然とします。女性ならカティヤの目線で物語に入っていくと思いますが、夫と子どもをこんな形で失ったら、そりゃこんな風になってしまうだろうなと、喪失感がとてもリアルでした。“女は二度決断する”という邦題の意味を考えながら観ましたが、すごくいろいろな思いから、最終的にカティヤが下した決断に納得です。妻であり、母であり、女性ならば、そういう決断をするだろうなと、切ないけれど彼女の意志に共感できるストーリーです。 |
テーマが重く、悲しくてやるせないストーリーなので、デート向きではありませんが、2人とも興味があるなら、観ても良いと思います。ダイアン・クルーガーが演じる、愛する人を奪われた女性カティヤの喪失感はとてもリアルですが、同時に愛の深さを感じさせます。ショッキングなシーンもあり、特に血に弱い人は要注意です。 |
キッズやティーンの皆さんにも、他の国ではこんな事が起こっていると知ってもらうために観て欲しいですが、PG-12(12歳未満の方は保護者の助言、指導のもとなら観られます)ということもあり、内容的にも中学生以上が対象かなと思います。家族を奪われた女性の決断が正しいかどうかは、人道的な視点だけで考えるのは難しい部分があります。そういった意味で、この物語をどう受け止めるかが重要になってきますが、ぜひ友達などと一緒に観て、感想をぶつけ合ってください。 |
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2018.3.28 TEXT by Myson