2013年11月22日より全国公開
ギャガ
公式サイト 予告編
衝撃的なできごとから精神的な病を患ってしまった主人公チャーリーはとても孤独な少年でしたが、パトリックとサムという自由奔放で個性的な兄妹に出会い、だんだんと変化していきます。前半はチャーリーの心が解けていきキラキラと輝きだす展開で青春の美しさを感じさせます。一方、後半になるとガラッとトーンが変わり、あんなにキラキラしていた彼らの心の奥に潜む悲しみが浮き彫りにされていきます。明るく振る舞っていても心には重い悩みがあったり、ひどいことをするような相手でも恋人になってしまったり、若い頃の心は自分でもわからない。私も高校生時代の自分の心をリアルに思い出してキュンと胸が痛くなりました。 チャーリー、パトリック、サムのような心優しい若者たちが正直に生きるにはどうすれば良いのか。正直に生きたい気持ちと、それに気付かないふりをして生きていく方が楽だと思ってしまう気持ち、どちらもだんだんとわかってくる大人と子どもの狭間にいる若者たちの姿を見ていると、いろいろと考えさせられます。簡単に答えを出せないとしても、青春時代にそのことに気付くことってとても貴重です。優しい人でもそうでない人でも、人は傷付きながら、同時に人を傷つけながら生きていく、そんなどうしようもなさを絶妙に描いた秀作です。 |
心に染みる映画ですがテーマは暗いので、その日のデートのメニューに合うかどうか次第です。際どいシーンはほとんどないので、気まずくなる心配はあまりないですが、価値観の合う人と観て欲しい内容です。自分を犠牲にしても人に優しくするタイプの人と、平気で人を傷つけるような人がカップルの場合は要注意。本作を観て後者が改心してくれる余地があれば一か八かかけてみても良いですが、全く鈍感なタイプの場合は観終わった後に全く心に響いてないコメントをされてさらに傷付いてしまう可能性があります。でも、思い当たる節がある人は、一人でじっくり観て、自分が置かれている状況を客観視して今後の道を考えるきっかけにする方が良いですよ。 |
キッズもティーンにとってとても大事なことが描かれている映画です。低学年以下の人にはちょっと難しいかも知れませんが、高学年以上なら理解できると思います。特に主人公たちと同じ世代のティーンにはいろいろと共感できるところがあるでしょう。学校生活では友だちに調子を合わせることに一生懸命になってしまうこともあるだろうし、そのために自分を抑えてしまうかも知れません。大人の社会以上に子どもたちの世界は狭いので逃げ場がないですもんね。でも、自分らしくできる相手を選ぶことは大事です。それは友だちでも恋人でも一緒。難しいテーマですが、自分に正直になることってどういうことだろうと、本作を観て考えてみてもらえると嬉しいです。 |
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2013.10.15 TEXT by Myson