自分のことは二の次で、いつも人のことを優先してしまう優しい人。でも、ときにその優しさのせいで傷つけられたりすることもあるでしょう。なぜ、そんなにまで自分を犠牲にしてしまうのか…。自分を抑えすぎてしんどくなってしまう人は、こんな映画を観てはどうでしょうか?
ツイートウォールフラワー
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<チャーリーを見てわかること> |
「どうして優しい人は、ひどいことをする人に惹かれるんだろう?」「それは自分にふさわしいと思うから」という内容のセリフが出てきます。 チャーリーは過去にとても優しくて大切な人がひどいことをされて傷付くのを見ていて、それが今でも心の傷になっています。高校生になった彼はまた大事な人たちが同じような目に遭っているのを静かに見守りながら、自分ではどうしようもできない気持ちでいっぱいになり押しつぶされそうになります。 でもチャーリー自身もとても優しくて控えめ、壁際の花のようにひっそりとそこにいて、みんなのことを見ているような存在です。彼自身も優しさで自分の気持ちを抑え込んでしまうタイプ。そんな彼が大事な人たちが傷付いていくのを見て段々と壊れていきます。でもそんな彼の奮闘を見て、チャーリーの大切な人たちはだんだんと自分にふさわしい生き方を見つけ、チャーリーも自分に正直になるべきだと気付きます。何かで心に傷を負っても、優しい人は他人のせいにせずに自分を責めてしまい、自分を過小評価してしまうのでしょうね。だから、ひどいことをする人とわかっていても離れずにいるのかも知れません。自分自身が自分を大切にするところから始めたら、いるべき場所が見つかるのではないでしょうか。 |
四十九日のレシピ
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<百合子を見てわかること> |
子どもがなかなかできない上に、夫は浮気をしている。さらに、夫の母は寝たきりで面倒をみなければいけない。百合子の環境は最悪で、冷静に考えたら逃げ出して当然です。でも、彼女は自分の都合で出て行こうとはせず、夫の浮気相手に子どもができ「彼と別れてください」と言われ、やっと別れる決意をします。もしかしたら、別れる口実ができてホッとした面もあるのかも知れませんが、それでもやっぱり彼女がいつも自分でなく相手の都合で決めているようで心が痛くなります。 でも、実家に戻り母の死と向き合い自分を見つめ直すことで、だんだんと彼女は自分を取り戻していきます。子どもができないことを責められたり、自分自身を責めてしまう女性はたくさんいると思いますが、彼女を見ていると「辛い現実でも、自分がどう受け止めるかによって全然見方、生き方が変わってくる」ということを実感できます。やはり自分の心に正直になることは重要ですね。 |
自分に正直になるって、簡単なようでとても難しいですよね。正直になることで誰かを傷つけてしまうかも知れないと思うと、優しい人には余計に容易ではないでしょう。でも、自分自身が壊れてしまったらどうしようもない。都合が良い解釈かも知れませんが、誰にでも幸せになる権利があって、ときに人を傷つけることがあったとしても、ずっと嘘をついて相手も自分も傷つけ続けるのと、一時的に相手を傷つけてしまうことになっても優しさを持って相手にも自分にも正直に生きることは、全く違うことだと思います。
少し乱暴な言い方になりますが、いくら優しい心を持っていても、自分が自分を大事にしていないと、相手からも大事にされないのではないでしょうか。自分の価値は自分で決めて良いと思います。
2013.10.15 TEXT by Myson