2017年11月18日より全国公開
ギャガ
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日本の文化を大いに感じさせる洋画というところにまず興味を覚えました。劇中のなかには、三味線、折り紙、侍などが出てきますが、よくある“外国人が作った日本のイメージ”というのでもなく、違和感はありませんでした。それもそのはず。アニメーション製作会社ライカのCEOで本作の監督トラヴィス・ナイトは、8歳の頃に父親と日本を訪れて以来、何度も訪日し、日本の文化を愛し、黒澤明や宮崎駿から多大な影響を受けたそうです。また制作には日本人も加わり、日本への強いこだわりを持って作られています。主人公のクボが三味線を弾くと、折り紙がいろいろな形になり、意のままに動くというシーンがふんだんに出てくるのですが、折り紙が形になっていく過程がすごく美しくて、釘付けになります。ほかにも葛飾北斎の【神奈川沖浪裏】や、近年の木版画家、斎藤清や、歌川国芳の作品からインスピレーションを受けたり、日本の歴史、特に江戸時代のものを調査し、衣装に取り入れたり、逆に日本人のこちらが勉強になってしまうというくらい、日本の芸術、文化が味わえる作品となっています。 初めて映画制作に3Dプリンターを使用した『コララインとボタンの魔女』と同様、本作でも3Dプリンターが駆使され、驚くべき時間と手間をかけて作られた本作。日本人こそ観なければいけない洋画アニメです。 |
芸術性が高く、大人でも楽しめるアニメーションなので、デートで観るのもオススメです。アドベンチャー要素が大きいですが、美しい世界観なので、デートのムードにもピッタリ。個性的な作品ではありますが、センスの良さは伝わるはずなので、初めてのデートでもオーケーでしょう。 |
キッズにもティーンにも観て欲しい1作です。自分を守るために闘い、大海原を渡ったことで衰弱した母の面倒をみながら、運命を切り開こうとする主人公クボは、キッズでもティーンでも共感できるところがあるはず。また、日本の文化や芸術がふんだんに取り込まれているので、本作を観る前でも観た後でも、公式サイトを参考にして、関連する歴史上の人物や作品(絵画、映画など)などを調べたり、鑑賞してみると勉強にもなります。 |
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2017.11.13 TEXT by Myson