2017年5月5日より全国公開
ロングライド
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ジェシー・アイゼンバーグが演じるボビーが、2人のヴェロニカとの間で揺れ動くラブストーリー。自分だったら、元彼と同じ名前の人が目の前に現れたら、相手に非はなくても何だか妙な感じがするので交際には及ばないと思いますが(笑)、男性のほうがセンチメンタルなので、こういったシチュエーションは多々ありそうですね。自分をフった相手が幸せそうに見えなくても、自分がもう新しい幸せを手に入れていたら、過去にかまうことなんて必要ないはずなのに、忘れられない相手が近寄ってきたら、“自分の手で”幸せにしたくなるのは、男の性(さが)なんでしょうね。女も自分が新しい世界に満足していたら過去に引き戻されることはなさそうですが、自分が得たかも知れない幸福を垣間見たら、失った過去を取り戻したいと願うのかも知れません。私は、これは“ボビーが本当に愛しているのは、どちらのヴェロニカか”という話ではなく、“自分を哀れに思っているか、いないか”という物語のように思えました。可哀相な自分から逃れられない人は過去に片足を突っこんだままになるし、自分は可哀相なんかじゃないと吹っ切れた人は過去を振り向かない。この映画のどの部分、誰に共感するかによって、そんな自分の本心が見えるような気がします。 |
昔好きだった相手との再会によって翻弄される人物が描かれているので、同じようなゴタゴタの末に交際しているカップルは、一緒に観ないほうが無難です。また、元恋人に未練があるまま現在別の人と交際中の人も、デートで観ないほうが良いでしょう。本心を語れる親しい友人と観るか、1人でじっくり観てください。 |
人によっては学生の頃のほうがいろいろな人と付き合って、未練に苦しんでいる最中の人もいるかも知れませんね。そんな人達にとっては、この物語はとてもロマンチックに映るだろうし、臨む結末も、大人が冷静に考えて願う内容とは違うのではないでしょうか。今は今の観方で共感したり楽しみつつ、学ぶべきところがあれば、今後の恋愛の教訓にすれば良いと思います。 |
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2017.4.12 TEXT by Myson