2011年10月14日より全国公開
パラマウント ピクチャーズ ジャパン
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世界最初のヒーローとなった男と称されるキャプテン・アメリカは、スパイダーマン、X-MEN、アイアンマン、マイティ・ソーを生み出したマーベル・コミックの初代ヒーローですが、名前にアメリカと付いている点、コスチュームがアメリカ大好きって感じのデザインなのもすごく時代を表しています。この原作コミックが発表されたのはアメリカが第二次大戦に参戦する8ヶ月前の1941年3月とのことで、物語の舞台と同じ頃ですが、戦う者には愛国心、戦いが集結するのを待つしかない者には救世主が求められるご時世に生まれた、メッセージ性の強いキャラクターというのは物語を観ていてよくわかります。実際、ここまで政治的立場を明らかに示している作品なので、発表当時クリエーターのジョー・サイモンとジャック・カービーは攻撃的な活動家から抗議と受けたり罵倒される事態に陥り、FBI捜査官が彼らを守るためにオフィスに派遣されたという状況だったそうです。また当時日独伊枢軸国の脅威がアメリカに迫っていたこともあり、今までのコミックの作り方とは違って、初めに悪役を創作し、それに対応させてヒーローを生み出すようにしたそうで、時代に求められて登場したヒーローである点で、他とはかなり異なるテンションを持っていて、そこがこの作品の見どころでもあります。キャプテン・アメリカは、ほかのヒーローに比べて極めて素の人間に近いので、いろいろな作品で特殊能力を使って活躍するヒーローに見慣れてきた私たちにとっては、地味に感じる部分もなくはないですが、この時代にふさわしいヒーロー像という意味ではすごく説得力があります。 あと恋愛の部分も奥手な感じに好感が持てましたが、一点気になったのは、彼女はスティーブがスーパーソルジャーになっていなくても好意を持ったのかなというところです。ちょっとその点は意地悪に観てしまいましたが、スティーブの性格や正義感がスーパーソルジャーに相応しいから選ばれたということで中身が大事ということが前に押し出されているけれど、この人が前のままでも好きなのかなと最後まで気になりました。こんなに見事なマッスルで顔がかっこよく性格が良ければ惚れるのは間違いないですからね。でもラストシーンでちょっとその辺の真相を臭わすシーンがあるのでお見逃し無く。まあそんなところも女子としては楽しめるポイントだと思いますので、アメコミが好きかどうかに関わらずぜひ観て欲しいです。 |
舞台は第二次大戦ということでレトロな作りの映像なので、ちょっと今までのアメコミとは違うムードが楽しめます。恋愛も描かれていますが、時代背景と主人公たちの立場的に心に秘めながら相手を想うという奥手な駆け引きが逆に新鮮で、付き合いたてのカップルなら自分たちに近い感覚、マンネリカップルにとっては初心に戻る感覚で観てもおもしろいと思います。といいつつ、基本はアクション超大作で、そこが一番楽しめるのは間違いありません。そして主人公の人柄もキーポイント。初めはもやしっ子の主人公が内面でスーパーソルジャーに選ばれるわけですが、男として評価すべき価値って何だろうとカップルでそれぞれ考えながら観て、鑑賞後に語ると盛り上がりそうです。 |
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2011.10.2 TEXT by Myson