2014年8月29日より全国公開
ギャガ
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本作は車イスに乗った少年とその家族がトライアスロン出場というできごとを経て、再生していく物語。主人公ジュリアンを演じたファビアン・エローは実際に障害を抱えていて、監督が170もの施設を回って見つけた逸材。今回が映画初出演ながら、心がすれ違った父親の愛を取り戻すために戦うジュリアンの純心さ、明るさを見事に演じています。そして父親ポール役のジャック・ガンブランがすごい!本作では撮影でも実際にファビアンが乗るボートを引っ張りながら長距離を泳いだり、前に乗せて自転車をこいだり、撮影に必要な分だけだったとしてもかなりハードなので、ほんとに超人(アイアンマン)と言っても良いと思います。1人でトライアスロン(しかも最も過酷と言われるアイアンマンレース)に出場するだけでも相当大変なのに、車いす生活の息子と2人で出るなんてできるのかなと思いながら観ましたが、どんな風に競技に参加するのかという状況も興味深く観ることができました。出場する過程も父から息子を誘うとばかり思っていたら、息子が父に出場したいと頼むという展開で、仕事がうまくいかずに悶々としている父を心配しつつ、さらに父の愛に飢えている子どもの心情も絡んできて、出場までの道のりもかなりドラマチックでした。息子の日常の世話をずっとやってきている母親と、仕事であまり家にいなかった父親の対比も母性と父性をうまく描いていて、息子を危険から守りたい母親と、息子の冒険心とチャレンジ精神を理解する父親とで、意見をぶつけ合うシーンは、どちらにも共感できました。子どもから大人に成長するときって、こういう大きなチャレンジがきっかけになると思いますが、親も子も戦ってるんですよね。なんだか自分がこういう年頃だったときの心情をリアルに思い出してウルッときました。挑戦することの大切さ、そして自分のことを心配してくれている人たちの大切さを実感させてくれる一作。ぜひ大切な人と観て欲しいし、チャレンジ精神を忘れてしまった方に観て欲しいです。 |
デートで観るにもオススメな作品です。笑えて、ほろっときて、最後は勇気をもらえるので、どんな人と観ても楽しめると思います。彼や旦那さんが仕事がうまくいかなくて悩んでいたり、逆に何事もなく過ぎていく毎日で何をやるにも不安や恐れで新しいことに挑戦できずにいるようなら、ぜひ誘ってあげてください。また、子どもとの接し方についても考えさせられる作品なので、これから結婚を考えているカップルや、お子さんがいるご夫婦にもオススメです。 |
キッズやティーンの皆さんにぜひ観て欲しいです。主人公ジュリアンは身体にハンディを抱えていますが、彼はそれでできないなんて思わずに自分がやりたいことに挑戦し、周りが反対しても屈しない彼の姿勢はお手本になります。これからいろいろなことに挑戦できる皆さんも、やる前からできないと思わずに、何にでもチャレンジして欲しいと思います。できるかできないかを決めるのは自分です。この映画を観れば、「自分にだって何でもできる」と勇気をもらえますよ。 |
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2014.8.6 TEXT by Myson