2014年1月11日全国公開
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公式サイト 予告編
何度も泣いてしまいました。中国映画ってアクションバリバリの武術系作品も良いですが、本作を含め『山の郵便配達』『こころの湯』など、こういう心温まる良作も結構ありますよね。本作で描かれるのは、主に親子関係。主人公のグォさんほか老人ホームで暮らす人々にはいろいろな事情があって、ある一人の老人が仮装大賞に出演しようと言い出したことで、その家族関係や、個々が抱える苦しみや悲しみが浮き彫りにされていきます。歳を取ると、親は子どもの保護下に置かれる立場になり「それをやったら身体に悪い」だの、「それをやったら危ない」だの言われるようになります。でも、歳を取ってもずっと生き甲斐は必要で、「老人ホームで死ぬのを待つだけの生活は嫌だ」というある老人のセリフに、それがよく表れていました。そして、親と子の立場が逆転すると、いかに状況が変わってしまうかという皮肉で切ない現実も描かれていて、グォさんが例えに出す「木の上のスズメの話」にはとてもうまくそのことが表現されていて、観ているこちらも自分のことに置き換えて親に対するいろいろな気持ちがこみ上げ、涙が出てしまいました。 親は愛情いっぱいに子どもを育てるけれど、親が歳を取って手がかかるようになると子どもは親を厄介者みたいに扱うようになる。親はどこかで生きていてくれればいいなんて思うようになってしまう。でも、年に数回しか会わないことを考えると親と過ごす時間は思っている以上に少ないということに気づかせてくれる作品でした。私も実際に父を既に亡くしており、父が大好きで仲良くしてましたが、私が上京してからは会う時間も少なかったので「もっとたくさん話しておけば良かった」と今でも思います。だから幸い元気でいてくれる母との時間はもっと大事にしないといけないなと実感しました。親の有り難みを思い出させてくれて、親子の絆や愛情の素晴らしさを感じさせてくれる本作は、ぜひ大人の親子で観て欲しいです。 |
ロマンチックな作品ではないですが、とても優しい気持ちになれる作品なので、ぜひ大事な人と一緒に観て欲しいです。お互いのことをよく知るにはやっぱり家族の話は重要。本作はお互いの家族の話をする良いきっかけになるでしょう。もし親子関係が良くない場合でも、本作を観て少し前向きになれるかも知れません。自分が親子関係で悩んでいたり、相手が悩んでいたら、相談する良いきっかけになると思いますよ。 |
大人になってからの親子関係を描いた作品ですが、子どもでも充分に理解できる内容だし、キッズでもティーンでもぜひ親子で一緒に観て欲しいです。観終わった後に、おじいちゃん、おばあちゃんとの関係について話してみるのも良いでしょう。孫と祖父母の関係も重要なので、本作を観て、親子でおじいちゃん、おばあちゃんを大事にしようと実感できればベストです。 |
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2013.12.24 TEXT by Myson