2016年12月10日より全国公開
東宝
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百田尚樹が原作、監督は山崎貴、主演は岡田准一という『永遠の0』チームが再集結した本作に期待しないわけはありませんが、その期待に見事に応えてくれました!本作で岡田准一は、まだ石炭が主要燃料だった時代から石油産業に将来を見いだし、数々の困難を乗り越え発展を遂げた国岡商店の創業者、国岡鐡造の20代から90代までを演じており、年齢に合わせて声色や話し方までリアルに変え、改めて役者としての実力を見せつけています。特殊メイクも違和感がなく、かなり精度が高いという印象でしたが、資料によると、撮影前から何度もカメラテストを行い、60代、70代の人の資料を集めて岡田准一の顔に近い人を探し、その筋肉の付き方をトレースしたり、岡田准一が年を取ったときにシワが入りそうな位置を割り出して付けたりしたそうです。 ストーリーは実話をもとに描かれていますが、何度も過酷な試練に立ち向かっていった国岡鐡造に共感せずにはいられませんでした。本作は大正元年(1912年)あたりからの国岡鐡造の半生を描いていますが、時代は違えど、現代の私達に通じるストーリーになっています。リーダーとして、経営者として、男として、人間として、彼が歩んできた道がどんなものだったかを知ることで、いろいろな事を学ばせてもらいました。綾瀬はるかが演じたユキとの関係も女子目線で考えさせられるものがあります。ぜひ老若男女多くの方に観て欲しい秀作です。 |
石油産業の荒波にも負けず、繁栄を遂げ、何度も過酷な状況を乗り越えた主人公の物語は、男性はもちろん、女性でも共感すること間違いナシ。実在の男性が主人公のお話となると男性寄りのストーリーに思われがちですが、最初の妻との関係はカップルで観るとより感慨深くなるはず。ある意味究極の愛を描いている本作は、デートでもオススメの作品ですよ。 |
石油産業内の組織間の争いが何度も起きるし、戦時中では国なども絡んでくるので、キッズが組織間の関係や人間関係を理解するには複雑だと思います。もう少し大きくなってから観た方がより深く理解し、感情移入できるでしょう。ティーンは中学生くらいなら理解できると思うので、ぜひ観てみてください。貿易上の問題、それに戦争が絡んでくるという事情も含め、経済、ビジネスの仕組みが垣間見える内容なので、すごく勉強になると思います。 |
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©2016『海賊とよばれた男』製作委員会 ©百田尚樹/講談社
2016.11.30 TEXT by Myson