日常の何でもないようなことにも感謝したり、普段は素通りするような美しいものに気付いたりする“きらきら眼鏡”という概念を、物語の最初のほうではポジティブなものとして受け止めていましたが、展開するにつれて、もっと複雑な意味も込められているんだなとわかり、観る側の日常についても振り返るきっかけをくれるように思いました。愛する者がこの世を去るかも知れないという状況のなかで、どう日常を過ごしていくのかを、池脇千鶴が演じるあかねの姿に投影して観ることができますが、自分だったらどうするだろうといろいろと考えさせられました。死を受け止めるとはどういうことなのか、実際にそうなってみないとわからないことではありますが、本作を通して疑似体験すれば、少し日々の過ごし方が変わるかも知れません。 |
辛い展開が描かれていますが、自分だったらどうするかと考えてみることで、お互いへの思いやりが増すように思います。前半、不可解に思える男女の様子も、後半に真意がわかると、男女ともに共感できると思います。初デートには、深すぎるテーマですが、交際してだんだん距離が詰まってきたカップルは、一緒に観てみると良いと思います。 |
キッズにはまだ理解が難しい部分があると思いますが、中学生以上なら、主人公達の気持ちを考えながら観て、人間の心の複雑さや、優しさにもいろいろな形があることなどを感じ取れると思います。“きらきら眼鏡”という考え方についても、いろいろな捉え方があり、辛い事を乗り越えようとする人達の苦悩が少し理解できるのではと思います。 |