2014年11月29日より全国公開
東宝
公式サイト
テレビアニメでちらっと観たことがありましたが、やっぱり実写で観るとグロさが増す分、迫力も増しますね。映像では表現が難しそうな部分も、やはり山崎貴監督だけあってVFXを駆使していました。ビジュアル的には好き嫌いが出そうな内容ですが、設定が意外に深かったので、思った以上に物語そのものにおもしろさを感じました。自分だけでなくこの世の命の重みを感じるのが当たり前と考える人間と、死んでしまえば物体と同じだと認識するような寄生生物“パラサイト”との融合体となってしまった主人公。彼自身の内なる葛藤と、世界で起きている人間とパラサイトとの戦いが、反比例の関係性になっているのがまずおもしろいと思いましたが、加えて母性というテーマも出てきたのは意外でした。この辺りは、女性目線でも興味深いです。 2部作ですが、この1部だけでも物語がかなり進行し、一旦物語は区切りを迎えます。でも、やっぱりこの続きが本題になり、新一とミギーもそうですが、深津絵里が演じた田宮良子の動向も気になります。これまで演じた役では観られなかった、深津絵里のかなり不気味な演技にも要注目です。東出昌大の演技も「あれ?こんなに大根役者だったっけ?」と思わせるほどのなりきり具合が観ていて楽しいです(笑)。邦画の本格SF映画って意外に少ない気がしますが、その分、新鮮味もあるので、ぜひ女子の皆さんも観てみてください。 |
寄生生物“パラサイト”が人間を捕食するシーンはグロテスクなので、好き嫌いは分かれるでしょう。こういう内容だとわかった上で大丈夫そうなら、デートで観るのも問題ありません。少し恋愛の要素も出てきますが、本題にはなっていないので、気まずいラブシーンというのはありません。ロマンチックなシーンもありませんが、逆に怖いシーンは、お互いに接近するきっかけになるかも知れません(笑)。 |
普段のミギーはちょっと不気味ですが、なんだか親しみが感じられて、小学生でも観たいと思う人がいると思いますが、根本は人間を食べてしまう寄生生物なので、キッズには怖いシーンが多々出てきます。ティーンは主人公と同じ世代なので、物語に入り込みやすいと思います。敵対と共存についてが大きなテーマになっていますが、その方法にもいろいろあるという視点で観つつ、母と息子の関係などにも注目して観てみてもらえると、物語の深みをより感じられると思います。 |
関連記事:
■『寄生獣 完結編』(2作目)
■TJE Selection イイ男セレクション/染谷将太
■TJE Selection イイ男セレクション/東出昌大
©2014映画「寄生獣」製作委員会
2015.1.5 TEXT by Myson