2015年6月6日より全国順次公開
スターサンズ、ドマ
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本作は目も耳も不自由な女の子マリーと、修道院のシスター、マルグリットの物語で、実話をもとに描かれています。目も耳も不自由な場合、触手話(手話を手で触ってコミュニケーションをとること)で会話をするのですが、そんな手段さえ知らないマリーは、親元を離された不安感でとにかく暴れます。そんな野生児のような少女だったので、マルグリットがどうやって心を開いていくのか興味深く観ました。でもマリーの成長する様子だけが描かれていくのではなく、意外とマルグリットの不安や彼女自身の問題についても描かれていたのがリアルでした。 マリーを演じたのは、本作が初演技となったアリアーナ・リヴォアール。アリアーナ自身、耳に障がいを持っているのですが、本作では目も耳も不自由な少女役を演じ、初演技とは思えないほど上手く演じていました。視線の動きがないこともそうですが、コミュニケーションの取り方がわからないマリー自身の不安感を繊細に表現していました。 本作は障がい者であるマリーと健常者であるマルグリットの物語ですが、2人の女性の心の葛藤と絆という部分では誰もが共感できるところがたくさんあります。ぜひ2人の心の通い合いに注目して観てください。 |
デートで観ても大丈夫です。こういう作品を観ると相手の真剣な一面を観ることができそうです。恋愛要素はありませんが、マリーとマルグリットの信頼関係は恋人や家族に匹敵する愛情を感じるので、今のお互いの信頼関係や絆について考えるきっかけになると思います。また、感動的な場面もたくさんあるので、映画を観終わるときっとお互いに優しい気持ちになれますよ。そういう意味ではちょっと相手にイライラしてしまったときに、敢えてこの映画を一緒に観るのもアリかも知れません。 |
キッズもティーンも観られます。キッズはこういう障がいについて大人にきいてから観ましょう。ティーンは、マルグリットがどうやってマリーの心を開いていくのかに注目して観てください。マルグリット自身、マリーとどう接するべきか悩む場面もありますが、彼女がそれでも諦めずにマリーと向き合う気持ちの強さは、皆さんにもぜひ見習って欲しいところです。マリーとマルグリットそれぞれの視点から本作を観て考えてみてください。 |
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■アリアーナ・リヴォアールさんインタビュー
© 2014 - Escazal Films / France 3 Cinéma - Rhône-Alpes Cinéma
2015.6.2 TEXT by Shamy