2016年8月6日より全国順次公開
シンカ
公式サイト
舞台となるパリ郊外のレオン・ブルム高校は、貧民層や移民の子ども達が通う学校で、生徒達は人種や宗教の違いから互いをうまく受け入れることができません。そんな生徒達を新任のアンヌ・ゲゲン先生の情熱ある指導が変えていきます。思春期に尊敬できる先生に出会えることは、人生における大きな幸福の一つだな…そんなことを思いながら本作を鑑賞しました。ゲゲン先生の提案で歴史コンクールへ参加することになった彼らは、「アウシュヴィッツ」という難しいテーマに不満を噴出させますが、強制収容所の生き残りであるレオン・ズィゲルの証言を聞いて心を動かされます。社会に対する漠然としたコンプレックスを抱えていた生徒達が、さまざまな心の壁を乗り越えて団結していく姿が印象的です。パリと聞くと華やかな印象をもってしまいがちですが、「人種差別」や「政教分離」、「表現の自由の限界」といった現実的なフランスの姿を垣間見ることができる作品でもあります。 |
社会問題に関心のあるカップルならオススメですが、あえてデートで観に行かなくてもいいかなという気もします。ただ、戦争の真実といった誰にとっても大切なテーマを含んだ作品ですので、たまにはカップル同士でこうした話題を話し合うのも新鮮かもしれません。 |
キッズやティーンにもぜひ観てほしい作品です。何かに一生懸命に取り組むことや、仲間と心を合わせることの大切さ、歴史を通して自分たちの未来を考えることの重要さを感じてもらえると思います。夏休みの自由研究に悩んでいるキッズやティーンは、この作品がヒントをくれるでしょう。親子で観るのもオススメですし、戦前、戦後を体験したおじいちゃんやおばあちゃんと一緒に観て、感想を話し合うのも有意義だと思います。 |
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2016.8.3 TEXT by min