TOP > 映画批評TOP > 映画批評カ行 > HERE

クジラの島の忘れもの

2018年5月12日より全国順次公開
エムエフピクチャーズ
公式サイト

東京から沖縄に移り住み、心に傷を抱えたまま、誰にも頼ろうとせず、ひたむきに生きる愛美と、研修生として沖縄にある日本の企業で働くベトナム人コアの純愛ラブストーリー。沖縄とベトナムでオールロケを敢行したという本作ですが、どんなシーンも風景がとても綺麗で、主人公の愛美が旅行代理店に務めているという設定もあり、観ている側も旅する気分を味わえます。大野いとの清楚な雰囲気が、内気な愛美のキャラクターにピッタリだし、ベトナム人コアを演じる、森崎ウィンの片言の日本語もリアルで、そんな2人が織り成す国際恋愛の様子は、観ていてもどかしい部分があるからこそ、キュンキュンします。国際恋愛といえば、スキンシップも多めなのかなとイメージしますが、キャラクターの性格はもちろん、アジア人同士ということもあるのか、プラトニックな関係に徹していて、古風な恋愛を好む人にも共感を呼びそうです。同時に、コアの誠実だけれど押しの強いアプローチは、その加減が絶妙なので、女子の皆さんは愛美の気分で、猛烈アタックを体感してください（笑）。

爽やかな純愛ラブストーリーで、気まずいシーンもないので、デートにもオススメです。沖縄の座間味島や、ベトナムのシーンを観ていると、行ってみたくなると思うので、旅行を計画中のカップルにとっても、参考になる部分が大いにあります。国際恋愛で悩んでいるカップルや、国の違う相手に片思い中の人も、前向きになれるストーリーです。

ティーンにも人気の大野いと、森崎ウィンが主演で、内容が健全なので、興味があればぜひ観てください。皆さんの世代では、まだ主人公達のようなシチュエーションで悩む人は限られていると思いますが、グローバルな時代なので、将来国際恋愛をする可能性も否めません。国が違う者同士の恋愛にはどういう壁があるのかを本作で疑似体験してみてはどうでしょうか。