2014年11月29日より全国公開
アスミック・エース
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本作は1979年の実写人形アニメーション映画『くるみ割り人形』を増田セバスチャン監督がリクリエイトした作品となっています。増田セバスチャンは、アートディレクター兼アーティストとしても活躍しており、きゃりーぱみゅぱみゅの“PONPONPON”のミュージックビデオの美術を手がけ、世界的にも注目を集める方です。そして本作が映画監督デビュー作品となっています。そんなアーティストが手がけているということで、すべてがポップでカラフルな世界観を想像していましたが、意外と暗いシーンも多く取り入れられていて、その分明るいシーンが強調されて見えるのが印象的でした。 子どもの頃に童話で“くるみ割り人形”を読んだことがあり、具体的な物語は覚えていないものの、くるみ割り人形が怖かった記憶だけがありましたが、大人になって本作を観るとすごく新鮮でこんなにも愛に溢れた物語だったこと初めて知りました。主人公の少女クララが現実から人形の国へと迷い込むという設定は“不思議の国のアリス”にも似ているように思いましたが、本作の場合はクララが人形の国へ行くことで勇気や愛を知り、成長していく様子が描かれていました。 単なる名作の映画化というだけでなく、不思議でかわいい人形の世界観や映画全体の色使いなど細かい部分までこだわり抜かれた作品です。物語として楽しむのはもちろん、アート感覚で楽しむのもアリです。ぜひ観てみてください。 |
一見子ども向けっぽく思う方が多いかも知れませんが、本作が作られた経緯やアーティストである監督が手がけていることを知った上で観ると、大人のデートとしても十分楽しめます。恋愛映画というわけではありませんが、主人公クララが愛を知る過程が描かれているので、初々しいカップルにも向いていると思います。また、本作を観る前の“くるみ割り人形”のイメージや、どんな視点から本作を観たのかを語り合うと、観終わった後の会話も弾むでしょう。 |
キッズやティーンにはぜひ観て欲しい作品です。“くるみ割り人形”は名作の一つですし、家族で楽しめると思います。お話自体もわかりやすいので、キッズでもきっと理解できますよ。主人公のクララと共に、勇気や愛について考えてみましょう。ティーンはもうちょっと大人目線で観て、名作がどんな経緯で現代に甦ったのかに注目してください。現代アートを観るような感覚で本作を観て感性を磨くのもアリです。 |
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■増田セバスチャン監督インタビュー
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2014.11.17 TEXT by Shamy