2015年2月28日より全国公開
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
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この映画に出会えて良かった!素直にそう思える、あらゆる点で素晴らしい映画です。ストーリーは至ってシンプルで、二転三転すると勝手にこちらが深読みしがちなところをかわされ、むしろ余計なことをしていないのが良かったです。で、本作の優れた点一つ目は料理の手際の良さがリアルであること、料理そのものが本当に美味しそうだということ。視覚だけでなく、包丁の音、チーズやパンがじゅわっと焼ける音など聴覚にも訴えてくるシーンが満載。主人公カールを演じるジョン・ファヴローの包丁さばきや料理の手際が見事で、普段から料理をしているのかなと思ってしまうほど。でも、この映画のためにプロのもとでかなり練習を積んだというから驚きです。彼が恰幅がよく、美味しそうなものが大好きそうな風貌なので、余計にリアリティがありますよね。次に本作が優れている点2つ目は、現代的な設定を取り入れつつも、皮肉を交えたセリフやシーンにして、時代の進化についていけない一般人の声を代弁しているユーモアのセンスです。それは、ツイッターが炎上してしまうくだりや、1秒動画のサイトについての会話など、現代っ子の息子と父カールのやりとり、カールと仕事仲間たちのやりとりのなかで、絶妙に表現されています。現代のツールをうまく使っている人でもそうでない人でも、とても親近感が湧くシーンがたくさん出てきて、笑っちゃいますよ。世の中にはいろんなアイデアと可能性が溢れているということも表しているように思い、好感も持てました。そして、笑わさせるだけでなく、思わぬ感動を呼んだりする伏線があるのも憎いところです。本作の美点3つ目は、プロフェッショナルとは何ぞやというテーマです。ダスティン・ホフマンが演じるレストランのオーナーと、雇われ料理長カールのやりとりにもプロフェッショナルとしての考え方の違いが表れているし、フードトラックで仕事を手伝う息子とカールのやりとりでもプロフェッショナルとしての姿勢が示されます。ビジネス目線で本作を観ても、そういうポイントですごく共感できるんですよね。そして、本作4つ目の魅力として、キャストが素晴らしいこと!本作で監督、脚本を務めるジョン・ファヴローが主演も務め、彼が過去に監督した『アイアンマン』繋がりでの出演か、ロバート・ダウニーJr.、スカーレット・ヨハンソンもいるし、名優ダスティン・ホフマンや、名脇役ジョン・レグイザモ、ソフィア・ベルガラ、ボビー・カナヴェイル、オリヴァー・プラットもすごく良い味を出しています。さらに注目して欲しいのは、カールの息子を演じたエムジェイ・アンソニー。子ども特有の未熟さと現代っ子ならではの機転で物語を動かすキーパーソンを見事に演じていて、すっごく可愛いです。 本当に心からオススメしたい本作ですが、特に仕事人間になっている人に観て欲しいです。仕事に大切なことを教えてくれるだけでなく、人生を楽しむために必要なことも教えてくれますよ。 |
ぜひデートでも観て欲しい1作です。ロマンチックな要素はちらっとだけ出てきますが、ベースは人間ドラマ。老若男女問わず共感できる内容で、爽やかで前向きな気持ちにさせてくれるストーリーです。目指すものがあったり、打ち込むことがあると、それだけしか見えなくなってしまう人っていますよね?あなたがそういう人間である場合も、お付き合いしている相手や旦那さんがそういうタイプの場合でも、ぜひ観て欲しい内容です。また、好きなことを仕事にしているはずだけれど、どこか制限されていて悶々としている人を誘ってあげるのも良いでしょう。そんなに深い意味を求めて観るのが好みでない場合も、料理が美味しそうなので、それだけでも楽しめます。観終わったら、美味しいモノを一緒に食べに行く流れも作りやすいですよ。 |
本作では、主人公カールと息子のストーリーがとても大事な要素です。キッズが観ても、いろいろと感じるところがあるでしょう。はっきりと理解できなくても、普段子どもには見せない大人の思いを覗いてみるという感覚でも良いし、カールの息子パーシーの目線で、プロフェッショナルの仕事を体験するつもりで観るのも良いでしょう。パーシーの活躍ぶりも観ていて爽快なので、自分ならどんなことができるかなと想像してみるのも楽しいですよ。親子関係で、親、子どもの立場で何を重視しているのかという違いも描かれているので、親子で一緒に観るのがオススメです。 |
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2015.2.9 TEXT by Myson