2012年10月10日リリース
レンタル同時
冒頭からかなり引き込まれて、本当に背筋が凍るような思いで鑑賞しました。でも決して他人事ではないというか、自分のなかにもこういう感覚があったなと思い出させる力を持った映画でした。中学生という子どもと大人のあいだの少女たちが持つ独特の感覚。“女”であることへの嫌悪感、“女”になることへの抵抗が絶妙なタッチで描かれていて、少女たちの演技もかなりリアルでした。特に女王様キャラを演じた小林香織が印象的でしたが、大人びた美しさを持つルックスもさることながら(撮影当時は小学6年生だったそうです)、演技力も感じられ将来が楽しみです。さらにこのお年頃には一番如実に出る女子特有の集団心理がさらに恐ろしく、自分がこういう中学校に通っていたのではなかったことに安堵すら感じました。 本作は実在する事件をモチーフにしているということで余計にショックを受けましたが、映画のなかでは一人一人の生徒の事情までは深く描かれておらず、数名だけ彼らの抱える問題を臭わせるに留まっています。この点に関してはもう少し個々のキャラクターの背景が知りたかったと思う反面、ここは敢えてそれを描かなかったことで、事件を起こした生徒への同情によって彼らのしたことの過ちの深さを曖昧にせずに観ることができて良かったとも思います。そんな心に凶器を持った生徒たちへの先生の対応は、愛を感じられて最後は救われた気がしましたが、きっと自分に子どもがいる状態で本作を観たら、全く感覚は変わりそうですね。女のいろいろな側面を掘り起こす映画で62分と短いですが、大変見応えがあり、必見の映画です。 |
女性としていろいろなことを考えさせられるストーリーなので、女子同士で観る方が良いと思います。でもある程度内容がわかった上で一緒に観るならば、男性の意見も聞いてみたいところではありますね。デートで観るにはすごく重いですが、タイトルを読んだら内容は想像がつくので、彼が受け入れそうかどうか試しに誘って観ても良いかも知れません。 |
<リクエスト1>くくさん:: 交際1年以上3年未満 Q:実話ベースの作品です。実際は男子生徒たちが引き起こしたらしいですが、劇中では女子生徒の思春期特有の鬱屈にスポットが向けられます。若手の内藤監督は『高速ばぁば』など、社会性を織り交ぜた人間批評に優れていますよね。(トーキョー女子映画部でも)たまにはこういうマイナーな映画も扱ってほしいです。 |
ぜひ親子で観て、命の重みや親子愛について話しあって欲しいです。大変ショッキングな内容なので、奇抜さだけが目についてしまうと心配ですが、最後まで観ると、この映画が何を言いたかったのかがわかると思います。キッズやティーンの等身大を描いた作品なので、大人が観るのとは違う感覚も出てくると思いますが、ぜひ誰かと一緒に観て意見交換をして、普段言えない悩みなどがあれば言い出せると良いと思います。 |
© 2011 内藤組
2013.11.6 TEXT by Myson