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2016年9月1日より全国公開
キノフィルムズ
公式サイト
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 人間の脳と肉体の関係について描かれた物語は個人的に大好きなので、ターセム・シン監督作では『ザ・セル』も好きなのですが、本作もすごく楽しめました。タイトルの『セルフレス／覚醒した記憶』ってどういう意味なんだろうと思っていたら、まさに言葉通りで、１つの肉体のなかで２つの自己が葛藤する展開となっています。その２つの人格がただ生き残りをかけて闘うのではなく、どちらが残るかについては、とても人間的な判断に委ねられている点ですごくドラマチックで、共感が湧きました。ライアン・レイノルズが主演なので、しっかりアクションシーンも活かされていて、全体的にはSFと言って良いと思いますが、根底には“業（ごう）”にまつわるテーマが描かれていて、とても深いストーリーです。１作で3粒楽しめる作品ですよ。あと、英国ドラマ『ダウントン・アビー』ファンの方は、メアリー役のミシェル・ドッカリーが出演しているのでご注目を。ほか、英国イケメン男子マシュー・グードもキーパーソンを演じているので、乞うご期待！ |
 頭脳だけ他の肉体に転送した男のストーリーと聞くと、複雑で難解なのかなと思うかも知れませんが、意外にシンプルでわかりやすく、アクション、SF、人間ドラマの要素がバランス良く盛り込まれていて、男女共に楽しめます。若干のベッドシーンは出てきますが、ラブストーリーの要素はほとんど無いので、気まずくなるシーンはないと思って良いでしょう。描かれているテーマはそれなりに深いですが、鑑賞後まで引きづる必要も無いので、「自分の頭脳を他の肉体に転送できるなら、誰の身体が良い？」と軽い話題で盛り上がるのもアリですよ。 |
 小学生高学年以上なら十分に理解できるストーリーなので、興味が湧いたら観てみると良いでしょう。主人公の葛藤には、自分にとって、周囲の人にとって、何が一番幸せかを考える過程が描かれているので、もし自分が主人公の立場だったらと想像しながら観て、誰かと意見交換すると有意義な経験になるでしょう。どんなにお金があって、延命ができても、ただ長生きするだけでは、幸せになれません。命の量より、質にフォーカスして鑑賞して欲しいと思います。 |
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©2015 Focus Features LLC, and Shedding Distribution, LLC.
2016.8.8 TEXT by Myson
