2013年6月15日より全国公開/R-15
トランスフォーマー
公式サイト 予告編
ラリー・クラーク監督作『KIDS/キッズ』の脚本を手掛け、当時若くして注目を浴びたハーモニー・コリン監督作。女子大生が強盗をするというだけでもショッキングな内容ですが、それは始まりに過ぎず、彼女たちの暴走は予想をはるかに超えたところまで続いていきます。ハーモニー・コリンは若者たちが1週間だけ日常を離れてハメを外す「スプリング・ブレイク」を実際に取材し、本作を制作したようですが、こういう世界に憧れて、お金をどうにか工面して行く心境は正直想像がつきません。メインキャストの4人の女の子のなかでもハメを外す許容範囲がそれぞれ違いますが、私は初めから「自分だったら絶対にこんなところには行かないし、行きたいとも思わない」と思ってしまうタイプなので、観ているときはすごい緊張感でした。でも、映画で体感する分にはスリルも楽しめるし、破滅的なのになぜか輝き始めるキャラクターたちや、衝撃的な結末は実に映画化的で良かったです。 |
スタイリッシュで華やかさもあり、デート・ムービーっぽく見えるのですが、酒とドラッグにまみれた性欲盛んな若者たちが刺激を求めて集う「スプリング・ブレイク」の世界にはトップレスの女性がたくさんいて、胸のアップも映ったり、性的な悪ふざけの様子も多々あり、お堅い性格の人を連れていくと引いてしまうかも知れません。加減を知らない若者たちの生態を表すための過激な描写なのですが、この映画の核は、はしゃいでいるように見える若者たちの心の奥に隠された不安と自虐的な一面なのだと思います。でもそういうことはお構いなく、彼氏や旦那がカワイイ女の子たちのピチピチしたボディに興奮するだけで終わると、きっとあなたはしらけてしまうことでしょう。なので、本来の本作の世界観に浸って観たいならば、一人で観に行くか女子同士で行くと良いでしょう。 |
R-15作品なので、中学生以下は鑑賞できません。ドラッグ、酒、セックスに溺れる若者たちの姿は、高校生にも少し刺激が強いでしょう。でも、それ以上に主人公の女の子たちが経験し選択する道はあまりにも過激で、マネするなんてあり得ないとは思いながらも、やはり親からすると子どもにどんな影響があるのか不安になる内容だと思います。ただ、観た映画から悪影響を受けるからとやみくもに見せないようにするのではなく、あくまで映画の世界のことであり、芸術作品だということを理解できるように慣れさせるのも必要だと思います。個人差があると思いますが、お子さんの理解力次第で見せるか判断してはどうでしょうか。 |
関連記事:
■特集:大人より過酷で残酷 ティーンたちの日常
■TJE Selection イイ男セレクション/ジェームズ・フランコ
© Spring Breakers, LLC
2013.5.3 TEXT by Myson