■ウィ・アンド・アイ
■スプリング・ブレイカーズ
■KIDS/キッズ
■17歳のカルテ
■ふがいない僕は空を見た
■桐島、部活やめるってよ
■ヒミズ
■17歳の肖像
■BULLY/ブリー
■16歳の合衆国
■リリィ・シュシュのすべて
■明日、君がいない
■エレファント
■疾走
■完全犯罪クラブ
■乙女の祈り
■ハードキャンディ
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大人より過酷で残酷 ティーンたちの日常
子どもから大人へと変化する10代は、生きるのが難しい。無垢だからこそ美しく、無垢だからこそ残酷なティーンだけの世界は、大人の世界よりも過酷で残酷なときがあります。心の弱さや恐怖を誰にも気付かれないように孤独に戦う若者たち。正しい道を行く者もいれば、ここで道を誤ってしまう者もいる。だんだんと自分の足で歩かなければいけない時期ではあるけれど、10代はまだ子ども。
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大人の前で見せる子どもたちの姿は、ホンモノでしょうか?
この特集では、ティーンたちの日常や、心の闇に迫る作品をご紹介します。
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『ウィ・アンド・アイ』バスで帰宅する高校生たちの姿を映しているだけなのに、そこで交わされるやりとりや会話のなかに、彼らがいかに必死にこの世界で生きようとしているかがわかる。1人で孤立することを恐れ、誰かに合わせようとする子どもたち。一見楽しげでありながらも、どこか不安を抱えている高校生たちの様子がリアルに描かれている。 監督:ミシェル・ゴンドリー |
『スプリング・ブレイカーズ』R-1519歳のときに書いた『KIDS/キッズ』の脚本で一躍注目を浴び、『ガンモ』で監督デビューしたハーモニー・コリン監督作。今作では、若者たちが1週間だけ日常を離れて、酒やドラッグにまみれて自分を解放する「スプリング・ブレイク」からインスピレーションを得て、強盗を働く女子大生たちのスリリングでクレイジーで破滅的な日々を描く。 監督:ハーモニー・コリン |
傷付き、壊れていくティーンの心
『KIDS/キッズ 』
当時19歳だったハーモニー・コリン(2013年公開『スプリング・ブレイカーズ』監督)が書いた脚本を映画化。アメリカのティーンたちが抱えるセックス、ドラッグ、HIV感染…の問題をリアルに描く。当時のハーモニー・コリンの恋人だったクロエ・セヴィニーのデビュー作でもある。『17歳のカルテ』
心に問題を抱え、両親に精神病院に入れられた少女が、治療の成果ではなく、そこで同じ年頃の少女たちと出会ったことで成長していく物語。ウィノナ・ライダー主演、アンジェリーナ・ジョリーがエキセントリックな患者を演じてアカデミー賞助演女優賞受賞。『ふがいない僕は空を見た』
ふとしたきっかけで、大人の女性と肉体関係を持つようになった高校生の男子。遊ばれているだけなのか、自分は彼女を好きなのか、欲望を満たしたいだけなのか…。そんなことを考えているうちに事態は急変し…。田畑智子と永山絢斗が大胆なベッドシーンに挑んでいる。
『桐島、部活やめるってよ』
いろいろなキャラクターの生徒たちが登場。一生懸命になることがカッコ悪いかのようにどこかすれた態度を取りながらも、必死になれるものを見つけられないで内心焦っている者、好きなことがあるのにそれをやりたいと言えない者など、若者独特の体裁を保つ必死な姿がリアルに描かれている。『ヒミズ』
衝動的に父親を殺してしまった15歳の少年と、お金持ちの家庭でありながら親に愛されず孤独な少女の物語。普通の生活がしたいというすぐに叶えられそうな夢すら手に入れられずにもがく2人を、染谷将太と二階堂ふみが演じ、第68回ヴェネチア国際映画祭で最優秀新人俳優賞(マルチェロ・マストロヤンニ賞)をW受賞。『17歳の肖像』
厳しい家庭に育てられ、一流大学に合格することだけを目標に掲げて生活していた少女が、ある日1人の大人の男性に出会ったことで、危険でスリリングな生活に魅了されていく。苦い経験をしながら、少女が大人へと成長しく様を描いた切ないストーリーながら、最後は希望を持てる内容。キャリー・マリガン主演。
『BULLY/ブリー』 『16歳の合衆国』
『明日、君がいない』
『エレファント』 『疾走』 →上記『BULLY/ブリー』〜『疾走』の6作品と『KIDS/キッズ』は映画を処方【傷付いた心の原点とその行く先】のコーナーに詳細が載っています。
ティーンの抱える闇
『完全犯罪クラブ 』
ハンサムでお金持ちで頭も良い、学園一の人気者と、頭脳明晰ながら冴えないオタクの少年2人が、完全犯罪を計画するというストーリー。彼らが求める「真の自由」とは?主演はサンドラ・ブロック、そしてライアン・ゴズリングが犯罪を計画するクールな少年を演じている。『乙女の祈り』
とても仲の良い14歳の2人の少女が母親殺しを計画するというセンセーショナルな内容だが、1950年代のニュージーランドで起きた実話がもとになっている。『ロード・オブ・ザ・リング』のピーター・ジャクソン監督作。若きケイト・ウィンスレットが主演の1人を演じている。『ハードキャンディ』
出会い系のチャットで知り合った32歳のカメラマンの家に行く14歳の少女。無垢な少女が大人の手にかかってしまうのかと思いきや、少女はロリコン男に恐ろしい制裁を企んでいた…。少女を演じたエレン・ペイジの演技力が光る。大人なら誰もが通ってきた道なのに、時間が経つとあの頃の気持ちはだんだんとわからなくなってしまいます。大人の世界もいろいろあるけれど、ティーンも必死に生きています。彼らが困ったとき、どう助けるべきなのか…。正しい答えは自分で考えるしかないけれど、これらの映画を観ていると、少しだけ彼らの苦悩をイメージできるような気がします。
2013.5.3 TEXT by Myson