2016年2月12日より全国公開
東宝東和
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ビジネスの目線から、スティーブ・ジョブズにとても興味があり、書籍も読んだりしましたが、本作は彼のビジネスだけでなく、父としての人間性にフォーカスしている点で、とても興味深い内容でした。商品にも同じ名前をつけていたリサという名の娘との関係性は以前からとても気になっていたのですが、本作で彼の不器用な愛を観ることができ感激でした。マイケル・ファスベンダーが演じるジョブズが本当に素晴らしく、温かさをうちに秘め、1つの目標に向かってすべてを犠牲にしても進んでいく人となりがとてもよく伝わってきました。娘を受け入れられるかどうかは、自分を許せるかどうかでもあったのかなと思いましたが、本作を観ていて、人に厳しかったのはもちろん、一番自分に厳しかったのだと感じました。ウォズニアック(セス・ローゲン)、ジョン・スカリー(ジェフ・ダニエルズ)とのやりとりにも、微動だにしないジョブズの芯の強さを感じましたが、人格と成功は両立するのかどうかというテーマでも考えさせられるところが大きかったです。彼は自分の価値と使命を完全に理解し、それを全うしていただけなんだろうと思いますが、こういった天才は、どんな思考をしているのか、どんな人間なのか、人々は知りたいと思うのが当然のところ。だから、私たちにも理解ができる共通点、彼の人間臭いところを本作で見つけることができて、彼に少し近づけたという感覚が心地良かったのだと思います。そして、この素晴らしいストーリーが、素晴らしい役者と監督、スタッフによって作られているからこそ、リアルにジョブズに近づけるのだと思うと、さらに感動します。 |
誰もが知っているスティーブ・ジョブズのストーリー、キャストもスタッフも一流どころが集まって作った本作は見応え抜群で、男女ともに楽しめるので、デートにもお薦めです。ラブストーリーの要素はほぼ無いのも逆に観やすいでしょう。1つのことに夢中になると、他のことが見えなくなるくらい何かに打ち込んでいる人とおつきあいしている方は、一緒に観に行って、「ジョブズみたいな生き方ってどう思う?」と意見を交換してみると、お互いの理解が少し深まるかも知れません。 |
小学校高学年以上なら、コンピューターについての用語や、ビジネス的な展開はわからなくても、大筋の父と娘のストーリーは理解できると思うので、子ども目線で観てみるのもアリだと思います。「お前は私の子どもじゃない」と言われるのは本当に辛いことだけど、その背景に父が何を考えているのか、本作で想像してみてください。素直になれない大人もいっぱいいるし、愛情をわかりやすく見せてくれなくても愛をちゃんと持っている人もいることを感じてくれたら嬉しいです。 |
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©Universal Pictures
2016.2.2 TEXT by Myson