2015年4月18日より全国公開/R-18
彩プロ、ミモザフィルムズ
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あらゆる意味ですごく強烈で圧倒されました。手話だけで語られ、字幕も吹き替えもないということだけでも特徴に思われますが、それよりもそもそもストーリー自体が衝撃的で、スクリーンから出てくるエネルギーが凄まじいです。ろうあの少年少女たちが連み、盗みや売春などを行っている日常を描いていますが、健常者と何ら変わりない世界が描かれています。何かに欲求を感じ、それをどんな手でも得ようとする若者達の貪欲さと、若さ故の残虐性が、とてもリアルで、字幕も吹き替えも無いからこそ、こちらの想像力が掻き立てられ、より緊迫感が増します。そして突如として耳が聞こえないことによるアクシデントが挿入されたり、生きることの過酷さを目の当たりにさせられ、圧倒的な無力感に襲われます。字幕も吹き替えもないことで、逆にろうあの方々が普段こういう感覚で字幕がない映画を観ているのだろうと想像させられ、世界が逆になったような感覚になり、一瞬それだけでも知らなかった世界を少し知った気になってしまったのですが、衝撃的なラストはそんな生易しい解釈を拒否するかのごとく、音のない世界がこういうものだということを叩き付けられるような内容でした。久々にすごい映画を観たと満足感でいっぱいです。内容は重いですが、映画好きには観ておいて欲しい一作です。 |
フルヌードのシーンや、性的描写が多く、暴力的なシーンもあるので、デート向きの作品ではありません。どんなタイプの映画も一緒に観慣れているカップル以外は、デートで観るのはやめておいたほうが良いでしょう。ただ、いろいろと想像を掻き立ててくれる作品で、語り甲斐のある内容なので、観るならば、映画好きでいろいろなタイプの映画を観慣れている、もしくは何でも興味を持って観てくれる友達を誘っていくことをオススメします。 |
R-18なのでほとんどのキッズやティーンは観られません。18歳以上のティーンの皆さんは、ぜひこういう作品も観て、いろいろなことを想像し、感じ取って、他の観た人と会話したり、意見交換してみて欲しいと思います。本作が、視点が変わったり、新たな視点が加わったりする良いきっかけになると嬉しいです。 |
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2015.4.7 TEXT by Myson