2016年1月23日より全国公開
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
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1974年当時、世界最高層だったニューヨークのツインタワー・ビル、ワールドトレードセンターの両棟の間を命綱ナシで渡るという実際のクレイジーなできごとを映画化した本作。IMAXで観たのですが、観ているだけでも落下しそうな感覚に冷や汗が出る臨場感で、その試みがいかに狂気に満ちていたかが伝わってきました。また、こんなに危険で狂った計画ですから、もちろん正式に許可を得てやるわけはなく、準備をするところから、既にいくつも法を犯すわけで、彼を支える仲間達も危険を冒すことになります。なので、主人公のワイヤー・ウォーカー、フィリップ・プティだけでなく、彼の挑戦を支えた仲間達もかなりぶっ飛んでいるし、命を賭けた“ばかげた”挑戦を本心から理解してくれる仲間じゃないと実現できないというハラハラもあり、ワイヤー・ウォーク以外のシーンもスリルがありました。 で、やっぱり「地上411mの高さでワイヤー・ウォークをするという自殺行為をなぜやってしまうのか」と考えてしまうわけですが、本作を観ると、何となくその気持ちに触れられたような気がしました。やらなくて良いけれど、自分にとってはやる必要があることってありますよね。自分が何のために生まれてきたのか、何をやりたくて生きているのか、それをハッキリわかっていたら、世の中のものさしでは計れない使命を果たさないと生きている心地がしないのではないでしょうか。ワイヤー・ウォーカーでなくてもどんな職業でも、突き詰めると、ある意味命がけの仕事をするという感覚が出てくるのだと思いますが、そういう気持ちを教えてくれた作品です。 |
ラブストーリーも含まれていて、ワイヤー・ウォーカーという職業でなくても、一般の人の立場に置きかえて、男女の関係を見つめ直す要素があります。夢を追う人、それを支える人のカップルは本作を観て、どう作用されるのか両極になりそうですが、自分達の未来を客観視したいカップルは敢えて2人で観て語ってみてください。平穏な交際をしているカップルは、手に汗握るハラハラドキドキの本作をシンプルにエンターテイメントとして楽しんでください。 |
キッズでもティーンでも楽しめる内容ですが、常識外れな挑戦をやってのけるという実話だけに、社会常識的にやって良いことと悪いことを理解した上で観て欲しいと思います。なので、単純に「この人だって法律を犯してるし」と、変なところだけ真似しないようにしてください。一方で、何か夢中になることを見つけるのは素晴らしいことです。自分もこれから命がけで挑戦したいと思えるような何かを見つけられるのか、本作を観て良い刺激を受けてください。 |
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2016.1.12 TEXT by Myson