2015年10月31日広島先行公開、11月7日より全国公開
東京テアトル
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本作は、広島県に実在した名画座“シネフク大黒座”の閉館(2014年8月)を目前に、その勇姿を映像に残したいという劇場関係者の熱い思いに賛同した時川英之監督により作られました。映画のなかでも“シネフク大黒座”が“大黒座”として登場しており、物語の主役が映画館とも言える作品となっています。 主人公は藤原令子が演じる明日香で、取り壊しの決まった大黒座に入った新入社員役を演じています。彼女自身の視点を通して大黒座の歴史の深さや、劇場に対する地元の方々の熱い思いを知る形で物語が進んでいきます。物語自体はフィクションですが、大黒座自体が実在した場所で、本当に取り壊しが決まっていた当時の状況がシンクロし、映画館の存在の大きさや、取り壊しに対する寂しさも湧いてきました。 “シネフク大黒座”以外にも、現在は全国的に名画座が減少しており、それに代わる形でシネコンが増えています。どちらが良い悪いということを伝えている映画ではありませんが、映画館の時代の移り変わりや、映画館で映画を観ることの価値を改めて感じることができる作品です。ぜひ映画好きの皆さんには観て欲しい一作です。 |
ほんの少しだけ恋愛要素がありますが、主役はやはり映画館なので、二人のムードを特別盛り上げる効果はありません。でも、本作を観ると映画館に対してすごく愛着が湧くと思うので、観終わった後はぜひ映画館トークに花を咲かせましょう。またこれを機に、現存する名画座巡りのデートを計画しても楽しいと思います。 |
キッズもティーンも観られますが、名画座の全盛期を知らない人が多いと思うので、主人公と一緒に名画座がどんなものなのか、どういう人たちに愛されている存在なのかを本作を通して感じてもらえたらと思います。また本郷奏多が演じるアキラが映画監督になりたいのに、良いアイデアが浮かばずにずっとウジウジしているのですが、そんな彼を反面教師として観ましょう。夢を持ったら願ったり考え込むだけでなく、今できることをまず行動することが一番の近道です。 |
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2015.10.27 TEXT by Shamy