2017年2月18日より全国順次公開
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スペインのアンダルシア地方にあるサクロモンテという村で誕生した“洞窟フラメンコ”の歴史を紐解くドキュメンタリーです。チュス・グティエレス監督は、北インドからの移民であるロマ族とその子孫が形成するフラメンコ・コミューンに入り込み、世界的なアーティストを輩出しながらも長年にわたり迫害を受け続けた彼らのルーツと真実に迫っていきます。本作を観る前はフラメンコに特に興味があったわけではないのですが、イスラム文化とアンダルシアの土着的な文化が融合して生まれた彼らの野生的なフラメンコはとても力強く素朴で、魂が震えるような感動を覚えました。ロマの人々にとって、日々の食いぶちでもあり生き甲斐でもあったフラメンコ。踊りや歌について語る彼らの熱い眼差しに心を打たれます。一時は隆盛を極めながら、1963年の水害で愛する土地を追われた彼ら。本作では、激動の時代を生き抜いた歌い手や演奏家、ダンサーらを再び集め、時代の生き証人である彼らのインタビューと踊りを通して、今失われようとしいている文化を詳細に記録していきます。おそらく、もう二度とは見られない豪華な顔ぶれによる歌と演奏、踊りはフラメンコのファンならずとも必見です。文化や芸術の記録としても非常に価値のある作品だと思いますので、興味をもった方はぜひ劇場でご覧ください。 |
音楽好きなカップルや民族の歴史などに興味のあるカップルなら、デートで観ても楽しめます。また、辛い時代を明るくたくましく生きた人々の真実のドラマとしても見応えのある作品ですので、どなたでも飽きることなく最後まで観賞できると思います。本作を観た後は、流行りのスペイン・バルでおいしいスペイン料理をつまみに、映画の感想を語り合う…なんてデートも、なかなかオツだと思いますよ。 |
踊りや音楽に興味があるキッズやティーンならフラメンコのシーンは迫力があって楽しめると思いますが、歴史的な背景や人々の生き方について理解できるのはもう少し大人になってからかなと思います。とはいえ、とても貴重で良質なドキュメンタリーですので、興味を持ったらぜひ観ていただきたい作品です。 |
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2017.2.20 TEXT by min