2016年5月14日より全国公開
東宝
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タイトルからして、猫メインのストーリーかと思いきや、そういう話ではなかったし、特に猫好きではないだけに逆に観やすかったです。余命宣告された主人公が、命を1日延ばす代わりにこの世から1つモノを消すことを約束されるという一種のファンタジーなのですが、消えた後の世界ではなく消える前の世界を振り返るという内容なので、すごく身近なストーリーとして、感情移入できました。さらに消えていく対象が、最初電話で次に映画とくるので、映画好きとしては自分の人生にまつわる映画との関わりや、映画を通しての人との出会いなどもリアルに思い返すことができ、主人公と同じ体験をしているような感覚になります。モノの物体以上の価値がとても上手く表現されていて、この世から無くなって良いモノなんて何一つないな〜と、周囲にあるモノへの愛おしさや、家族や友達との縁の有り難さが身に染みました。 猫よりも映画ネタのほうが結構盛り込まれている気もしましたが、古い映画がいろいろ登場するし、話題に出てくるだけでなく、映画館やレンタル店の風景のなかでも目に入ってくるので、映画好きにはより嬉しい内容になっています。映画好き女子は必見です。 |
しっとり静かな映画だし、恋が盛り上がっていく展開ではなく、恋は既に終わっていて振り返る話なので、友達以上恋人未満や、付き合いたてのカップルで、マイナス思考になりがちな方には不向きです。一方で、マンネリカップルや倦怠期のカップルには、良い思い出を振り返り、初心に戻れる機会になりそうな内容なのでオススメです。本作はラブストーリーがメインではありませんが、恋の結末はどうであれ出会いは大切だということを描いているので、将来を考え過ぎて心が窮屈になっている方も、原点に戻ってリフレッシュできると思います。 |
猫ちゃんは出てくるけれど、切ないストーリーでキッズが賑やかに楽しむタイプの映画ではありません。でも、大事な友達や好きな人ができたら、年齢を問わずこのストーリーに共感できると思います。この映画のなかでは、世界から消えていくモノは、電話、映画、猫という設定になっていますが、自分の身の回りのモノに置きかえて想像してみると、物語の世界観をより体感できると思います。今当たり前にあるモノや人がなかったらと考えると、よりその存在の大切さを実感できるはず。本作を観なくてもそうして欲しいですが、観た後は一層人やモノを大切にしてください。 |
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©2016 映画『世界から猫が消えたなら』製作委員会
2016.4.26 TEXT by Myson