2017年6月17日より全国公開
レスペ
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個人的に馬の映画が好きなんですよね。馬って、ペットで飼うような犬や猫と違って、簡単になついてくれない印象がありますが、すごく人間を見ているというか、深い部分で繋がりを感じないと反応してくれないというところに魅力を感じます。本作は、弁護士を辞めてオリンピックを目指した騎手のピエール・デュランと、小柄で気性が荒いために、最初は競技用の馬としては価値を認められていなかったけれど、後に名馬として活躍したジャップルーの実話を映画化したもの。最初は認められていなかったジャップルーがメキメキと才能を発揮していく一方で、才能はありつつ一度は競技人生を終えて弁護士になったピエールが、ジャップルーの存在によって再び騎手として復活しながら何度も壁にぶつかる様子が、コントラストになっており、そこがとてもドラマチックでした。まさに馬が人間を成長させる物語で、実話なのでなお感動します。そして、ラストのシーンで、ギョーム・カネが演じる騎手が障害物をジャンプするジャップルーの上で手を離してバンザイをするのですが、これにはすごく驚きました。これは映像を加工しているわけではなく、ギョーム・カネ自身が実際に演じたそうです。彼の両親は馬のブリーダーで、彼自身も若い頃に騎手だったと聞き、だからこんな離れ技ができるんだと納得しました。 馬にごまかしは利かないというストーリーを観て、こちらも心が洗われる気がしましたが、競技シーン自体もとても見応えがありますので、ぜひご覧ください。 |
馬と人間のストーリーですが、主人公だけでなく、周囲の人間とのドラマもしっかりと描かれていて、カップルに巻き起こる試練も参考になる部分があります。夢にかけるのか、安定した生活を優先して静かに暮らすのか、そういった結婚観、人生観も問われる内容なので、観終わった後に自分達ならどうするか、自然に会話にしやすいと思います。 |
キッズ&ティーンの皆さんも気に入るストーリーだと思います。馬に乗って障害物をジャンプするシーンは観ていてすごく爽快だし、カッコ良いですよ。そして、馬を世話する少女の心情も等身大に感じられると思います。皆さんのなかにはペットとして動物を飼っている人もいると思いますが、動物はちゃんと人間のことをみています。大切にしないといけないというのが本作を観てわかるはずです。 |
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© 2013 – ACAJOU FILMS – PATHÉ PRODUCTION – ORANGE STUDIO – TF1 FILMS PRODUCTION – CANÉO FILMS – SCOPE PICTURES – CD FILMS JAPPELOUP INC.
2017.6.14 TEXT by Myson