2016年2月27日より全国順次公開/PG-12
ビターズ・エンド
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本作は沖縄の離島で一人暮らしをしている盲目の貝類学者が変化していく様子が静かに展開していくのですが、戦争の気配がしたり、海の生物達の生活が人間に脅かされていることを匂わす場面もあり、現代人に対する強いメッセージを感じる作品でした。 主人公を演じたのはリリー・フランキーで、今回は初老の貝類学者という設定でしたが、すごくセクシーに見え、途中「私って初老の男性も恋愛対象だっけ?」と錯覚するほどでしたが、観終わって我に返りました(笑)。やはりこの主人公は、リリー・フランキーだからこそできたキャラクターだと思います。また貝類学者の生活を一変させる重要な人物を演じたのが寺島しのぶで、こんな人がいたらちょっと警戒してしまうかもと思うような、危うくて脆い女性を好演していました。そのほかにも池松壮亮や橋本愛などの若手俳優が出演しているのも本作のポイントです。 ストーリーはきちんとあるものの、途中夢なのか現実なのかわからなくなるような抽象的なシーンもあり、すごく感性を刺激されました。ぜひいろいろな角度からご覧ください。 |
ヌードシーンなどがあるので、初々しいカップルのデートだとちょっと刺激が強そうですが、映画や美術などが好きなカップルならアート感覚で本作を楽しめると思います。観る人によって捉え方が変わる作品なので、鑑賞後はお互いの感想を話し合うと盛り上がりそうです。また、ダンディさに欠ける相手にリリー・フランキーのセクシーさを学んでもらうのもアリです(笑)。 |
PG-12なので12歳未満のキッズは大人と一緒に観ることをオススメします。抽象表現が多い作品なので、ティーンの場合も、ある程度映画を観慣れているか、アートとして映画を楽しめる人に向いていると思います。皆さんからすると主人公は、おじいちゃん世代だと思いますが、彼の言葉には一つ一つ重みがあり、生きることや孤独について考えさせられるところがたくさんあります。ぜひ今の素直な感覚で本作を観てください。 |
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2016.2.22 TEXT by Shamy