不器用ながらも頑張る親子にすごく愛を感じました。本作は主題歌を担当するミュージシャン松本哲也の実話を基にして作られていますが、映画を観終わって最後のエンドロールで彼の歌を聞くと、歌詞と映画の内容がシンクロし「こんなことも、あんなこともあったよね〜」とじわじわと込み上げてくるものがありました。歌が必須の映画なのに歌わないという作品もありますが、劇中でも大人になった哲也役を演じる石垣佑磨ではなく、松本哲也本人の声ですごく良いタイミングで歌が入るので聞いていて心地良かったです。
物語としては、主に松本哲也の母親、扶美江が覚醒剤にはまっていく過程が描かれています。扶美江役を鈴木砂羽母が演じていて、子どもと一緒にいるときの母親としての明るい姿と覚醒剤にすがりたい気持ちと葛藤する姿を上手く演じ分けていました。そのギャップのある姿が余計に覚醒剤の怖さを感じさせていました。また、哲也が幼少時代に覚醒剤と普通の薬との違いがわからず暴れる母親を目の前に「お薬ここだよ」と言い薬を母親に差し出すシーンがあったのですが、かなり切ない気持ちでいっぱいになりました。子どもながらに母親を思う優しい気持ちと「お薬飲めば病気は治る」という発想で薬を差し出していたのだと思いますが、子どもにその薬の善し悪しの判断がつくわけがないという当たり前のことが残酷で悲しくなりました。テレビのドキュメンタリーなどで“覚醒剤依存症”という言葉を聞くと構えてしまう方も多いと思いますが、この作品は親子の話を基にしていて共感しやすいポイントもたくさんあります。この親子の結末はどうなるのだろうと最後まではらはらする展開も楽しめますし、心温まる素敵な作品です。ぜひ観てみて下さい。
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デートで観て欲しい作品です。彼が自分の反抗期と重ねて共感できるポイントも多いと思いますし、女子としても親子の愛が描かれた作品なので楽しめます。それにこの映画を観終わって、親の話をすると彼が親とどういう関係にあるのかというのも見えてくると思います。普段親の話を積極的にする男性はあまりいないと思うので、特に結婚していないカップルは一緒に観たら新たな一面が見られるかも知れません。また、授業やテレビだけではわからない覚醒剤の本当の怖さが親子愛を中心に描かれているので、一緒に勉強するつもりで観るのもありです。とはいえ、やはり感動する作品なので2人で作品に浸って欲しいです。
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