2018年7月14日より全国順次公開
ビターズ・エンド
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“フツー”でありたいと強く思うお年頃だからこそ、コンプレックスに悩む度合いも深いのだろうなと、主人公達を観て感じました。それに他人から観たら大したことに思えないことでも、本人にとっては一大事だったり、誰もがコンプレックスを抱えていて、心の拠りどころが欲しいのは同じなんですよね。だから、志乃と加代が仲良くなっていくのもごく自然なことだし、各々コンプレックスがあるからこそわかり合えるという点で、どんな人が観ても共感できると思います。ラストは意外なシーンに思えましたが、よくよく考えると、彼らの自立した姿を描いていたのかなと思えて感慨深いです。 そして何といっても南沙良、蒔田彩珠、萩原利久が素晴らしい。演技がとても瑞々しくて、すごくリアリティがあって、引き込まれました。既に過去作でも実力を発揮し、注目されていますが、将来有望な3人なので、ぜひ本作でチェックしてください。 |
ロマンチックなムードになるタイプの映画ではありませんが、人の痛みについて考えたり、自分や他人の強さ、弱さに気付くきっかけになるストーリーなので、一緒に観ることは有意義だと思います。強がっていても傷付いていたり、本当は寂しいのに人を遠ざけたり…。主人公達は思春期の子達ですが、こういう心境は大人でもあると思います。大人カップルでも充分に満足できる作品です。 |
キッズやティーンの皆さんにドンピシャなストーリーで、どんな視点で観ても響くものがあると思います。苦難を乗り越えて成長しようとする主人公達の姿からは勇気をもらえるし、周囲で彼女達をあざ笑うキャラクター達の姿を観て、残酷さや愚かさにも気付けると思います。吃音についてあまり知らないという人も、本作を観れば、少し理解が深まると思います。皆さんの世代には特に観て欲しい1作です。 |
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© 押見修造/太田出版 ©2017「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」製作委員会
2018.7.11 TEXT by Myson