2016年5月21日より全国順次公開
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1984年に出版されてから、これまで何度も実写映画化が試みられながらも断念されてきた「少女椿」が、7年の年月をかけてようやく映画化。原作は読んだことはありませんが、どの辺りで実写映画化が難しかったのか、本編を観れば察することができます。TORICO監督にインタビュー(5/16掲載予定)させて頂き、そのときのお話にもありましたが、一昔前には目にしていた表現も今ではNGだったり、タブーを多く含む物語ということで、映像描写の仕方に苦労があったようです。とは言え、本作の世界観そのものが、覗いてはいけないところを覗いている感覚にさせる点で、際際のところまで描くことに挑戦していると示しています。劇中には漫画で描かれているシーンがあったり、実写部分に使われる花が折り紙で作られていたり、現実なのか夢なのか交錯させる演出の仕方も巧みで、ファッション業界で活躍するTORICO監督だからこそできる表現がすごく活かされています。エログロが入り混じるストーリーながらも、エロシーンが極端に際立つことなく他のシーンとのバランスが取れているのも、女性監督ならではだと思いました。そして、主演の中村里砂がこの世界観にハマり過ぎている点も功を奏し、気味が悪い世界を描いているのにカワイイ要素が生きていて、ダーク・ファンタジーとしての世界観を確立しています。原作そのままのボリュームで映画化するととても短い作品になるところを、原作にはないシーンを加えて作られているとのことで、原作を知る方もぜひ観てみてください。 |
2人とも原作ファンだという場合は別として、エログロの内容や不気味な世界観からして、全くデートに向いていない内容です(笑)。普段ジャンルを問わず一緒に映画を観慣れているなら大丈夫かも知れませんが、友達以上恋人未満、初デート、初映画デートだと、気まずくなるシーンが何度かありますので、こういう世界観、作品が好きな友達と観るか、1人で観に行くのが良いでしょう。 |
R-15なので、残念ながら15歳未満の人は観られませんが、物語そのものはとてもシンプルでわかりやすいし、主人公のみどりが不遇な環境のなかで心に夢を秘めている姿はティーンの皆さんにとっても共感しやすいでしょう。一方で、後半のみどりの心境の変化もリアルで、誰もが陥りやすい展開なので、夢の輝いている部分だけでなく、裏の部分も本作を観て参考にしてください。 |
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■TJE Selection イイ男セレクション/深水元基
©2016『少女椿』フィルム・パートナーズ
2016.5.9 TEXT by Myson