2011年10月1日より全国公開
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
一昔前の日本なら、この映画のシチュエーションは遠い国の話として捉えられたかもしれませんが、今ならば意外に理解できると思う価値観の人もいるのかも知れません。 根本的にというか、体質的に日本人と欧米人の性欲の強さは違うと聞いたことがありつつ、本当に欧米人のほとんどはこんな感じなのか、ほかのいろいろな映画を観ていても思うことがしばしばですが、スポーツ感覚で楽しんじゃうという発想は、日本人のムッツリな感じと違うようにも思えて、この作品で描かれるセフレ関係についてはとても爽やかに見えました。ミラ・クニスが意外にもさっぱりした体つきだったというのも理由の1つかも知れないですが、あくまで欲求を満たすことに徹しようとする二人が、「こうしてくれ」「それはやめてほしい」とお互いのプレイに対して遠慮無く注文を付けているのもさっぱりしていて好感と言おうか、潔いセックスという感じでおもしろかったです(笑)。 と、前半は一見ドライな関係が描かれるのですが、予想通り後半は感情面を描いていきます。共感できたところというか、ギャップが良かったのが、ミラ・クニスが演じるジェイミーは、セフレ関係を楽しんでいる一方で、本当は白馬に乗った王子様を夢見るようなタイプであり、自分で恋愛のルールを決めているというところ。本当はとても繊細で、だからこそ自分を守るために本当の恋から遠ざかってセフレという関係性を試してみたという心境がわからないでもないので、セフレという関係が必ずしも貞操観念だけの話ではないようにも思えました。 そして、最後のシーンは本作のテーマとはギャップを感じるような、意外にオーソドックスな演出でキュンとしました(笑)。女子の大半はこういうのが根本的に好きなのではないでしょうか。そして、この映画はそれをやりすぎないところが好感が持てます。こういうの好きでしょ?っていう演出をしておいて、でもギリギリのところで観客のリアルな感覚の目線で現実的に描いている部分で興ざめすることがなかったです。で、今回は主演の二人が予想以上に良かった。ミラ・クニスはさばさばしたキャラながら女性としてのかわいさも満点で、ジャスティン・ティンバーレイクは、親子のシーンなどで役者らしさを発揮してきたなと感じました。結構笑えるシーンもあって、楽しい映画でした。ぜひ女子同士でも、恋人同士、夫婦どうしでも、セフレ同士でも(笑)、観て楽しめる映画です。 |
結末はどうであれ、テーマはセフレですから、さっぱり爽快なセックスを楽しむ主人公たちを描いているとは言え、もちろんベッドシーンなども出てきます。性の話に踏み込めないようなウブな関係だとちょっと困るかも知れません。あとは、片方が本命と思っていて、片方がセフレだと思っているような気持ちのズレのあるカップルが一緒に観賞したあとに、お互いのコメントで現実に目覚めるかも知れませんね(笑)。それが良いか悪いかは別として…。さらには片方が実はそういう関係に持って行きたいと考えている場合、「こういう関係良いよね?」と展開のどのあたりのことを言っているのかわからないコメントを言ってきたときは注意しましょうね。 映画はとても楽しいですが、上記のような微妙な関係のカップルで観ると、鑑賞後にさらに微妙になりそうな気がします(笑)。揺るぎない思いを持つ二人、ちょっとこういう話も敢えてしてみたいなと思うカップルや夫婦の方同士で観れば、爽やかにセックスについてを話題に出せるチャンスかも知れません。 |
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2011.8.23 TEXT by Myson