2017年2月25日より全国公開
ワーナー・ブラザース映画
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『プラダを着た悪魔』『31年目の夫婦げんか』『ワン チャンス』など、デヴィッド・フランケル監督作は好きな作品が多いので、今回も期待して観ましたが、人生の苦味をちゃんと描きつつ、希望も感じさせてくれる内容で、最後は心が温かくなりました。今作は、ウィル・スミスが演じる、娘を亡くした主人公が立ち直るまでを描いていて、思った以上に重いストーリーではありますが、ユニークな設定で意外性があり、ただのお涙頂戴映画になっていない点が良かったと思います。 人の死って、実際に身近な人を亡くすまで、実感できないところがあると思います。私もそうでしたが、父を亡くすまでは、そういう実感が表面的にしか想像できない部分がありました。でも、私にとって大きな存在だった父が亡くなったことで自分のショックが大きかっただけでなく、いつもは本当に明るい母が立ち直るまでに長い時間がかかったことなど、身近で苦しむ人達の姿を観て、人の死がどれほど重いことなのか、感覚が随分変わりました。とはいえ、自分より先に子どもを失う辛さは計り知れないものがありますが、そうは言っても周りの人の人生は流れていて、自分だけ立ち止まるわけにはいかない。そういう人生の残酷さも本作はしっかりと描いている点に、厳しさのなかにある優しさを感じました。同時に、誰もが悲しみにふさぐ主人公に優しい気持ちを持ちつつ、彼らも悩みを抱えながら必死で生きているという描写にも共感でき、作品から滲み出る優しさに心を救われます。人生はとても残酷だけれど、その仕打ちに身を滅ぼすのか、それを糧に生きるのかは自分次第。大事な人が遺してくれたギフトをどう受け取って、そのギフトにどうしたらお返しをできるのか、ヒントを与えてくれる映画です。 |
立ち直れないくらい本当に辛い出来事が起こったときこそ、一緒にいられる相手かどうかがわかるような気がします。本作で疑似体験し、鑑賞後に感想を述べ合うと、人の悲しみが想像できる人なのか少し垣間見えるのではないでしょうか?でも、大事な人を失った経験がまだない人は、理解できる限界があることも想定しておきましょう。わからないながらも優しさを感じられる感想を言っていれば、まだ見込みはありそうです。 |
大人向けのストーリーで、経営者的な話題はキッズにはわからないこともあると思いますが、感覚で伝わる部分もあると思います。小学校高学年以上なら、興味を持てば観てみても良いのではないでしょうか?皆さんが思っている以上に、親は子を大事に思っていて、皆さんは家族にとってかけがえのない存在だということを自覚できるストーリーです。親子で一緒に観ると、今よりもっとお互いを大事にしようと思えるでしょう。 |
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2017.2.20 TEXT by Myson