2014年3月21日より全国公開
ギャガ
公式サイト
2007年、イギリスのオーディション番組『ブリテンズ・ゴッド・タレント』に出演し、一夜にして世界的なスターになったオペラ歌手ポール・ポッツの半生を描いた本作。彼がオーディション番組出場で話題になった当時のことは記憶にありましたが、彼がケータイ販売員だったことなど背景は記憶になく、ほとんど真っ新な状態で鑑賞しました。子どもの頃から大人になってすら、ずっといじめられっ子で、普通なら悲劇的に映るところですが、本作には温かさとユーモアが満ちていて、重い苦労話を聞かされているという感覚にはならず、心地良く観ることができました。これはポール・ポッツというキャラクター性に加え、主演のジェームズ・コーデンが持つ柔らかい雰囲気と演技力、『プラダを着た悪魔』『31年目の夫婦げんか』のデヴィッド・フランケル監督と、『最高の人生の見つけ方』の脚本を手掛け『グリフィン家のウェディング・ノート』ではメガホンも執ったジャスティン・ザッカムの腕の良さがうまく合わさった結果でしょう。 そして、苦難はそれなりに訪れるのですが、超悪党が出てきて邪魔をするというよりは、ポールの自分自身との戦いがメインというところで、彼をただ応援しながら見守る気分で楽しむことができました。程よく入ったラブストーリーも微笑ましくて、とても身近な人の物語を観ている感覚で、感情移入しやすかったです。 さらに本作の主人公が歌うシーンは、ポール・ポッツ自身が吹き替えをしているので、歌も堪能でき、得した気分。いじめられっ子の日々を耐え、大好きなオペラを歌うことによって道を開き、挫折をくり返しながらも好きなオペラを愛し続ける彼の姿と、拍手喝采のラストは爽快感が抜群でした!爽やかで温かい気分になりたい方はぜひご覧ください。 |
もしポール・ポッツを知らなくても、老若男女問わず誰にでも共感しやすい内容なので、デートにオススメの作品です。“オペラ”と聞くと難しそうと感じる人もいるかも知れませんが、本作で歌われている曲はどれも聴いたことがあるような有名な曲なので馴染みやすいです。そして、ポール・ポッツの成功を支えたのは素敵な彼女の存在なので、カップルとしても参考にできそうなところがいくつかあります。気まずいシーンもないし、観終わった後も心地よい作品なので、どんな日のデートでもオーケーです。 |
本作を観ると、主人公のように何か大好きで打ち込むことが見つかればどんな辛いことだって乗り越えられるという勇気が沸いてきます。でも、好きなことがすぐに見つからない人もいるでしょう。でも、焦らなくても大丈夫。いつかきっと見つかると思っていれば、そうなります。大事なのは、大好きなことを見つけたら一生懸命頑張ること。誰が何を言おうと、夢を捨てないでいれば、自分なりの方法が見つかるはず。キッズやティーンの皆さんはこれから可能性がいっぱいあります。本作を観て、未来にワクワクしてください! |
関連記事:
■ポール・ポッツ氏インタビュー
■来日スペシャルライブイベント、ポール・ポッツ、デヴィッド・フランケル監督、荒川静香(花束ゲスト)、藤澤ノリマサ(歌のステージ共演ゲスト)
■TJE Selection イイ男セレクション/ジェームズ・コーデン
■【映画を処方】夢からは逃げられない
© 2013 ONE CHANCE, LLC. All Rights Reserved.
2014.2.8 TEXT by Myson