アメリカ大統領予備選挙を舞台に、広報官たちの心理戦や、その裏側で行われている不正や陰謀、裏取引を事実に基づいて描いた作品。ライアン・ゴズリングが演じている若き広報官は、ジョージ・クルーニーが演じる大統領候補の政策を支持し、忠誠心を誓いますが、一度の判断ミスから瞬く間に転落していきます。始めは真面目に広報官として行動していた主人公も、政界で生きていくにはこの汚れた世界のやり方を学ばなければいけないということを実感し、実行に移すのですが、その展開が本当に怖い。選挙は政策、信頼で結果が出るものというよりも、戦略でしかないということがとてもわかりやすく描かれています。あ〜切ない。 主人公が、どんどんと個人的な窮地に立たされていく様子を観ていると、選挙のために働く人は「人」ではなく「コマ」なんだなということが実感できます。一番印象的なのは、ポール・ジアマッティが演じる敵陣の広報官が仕掛けた心理戦の種明かし。まさに逃れられない罠という点で愕然としました。こういうのって、もしかしたら企業間の競争のなかでも起こっているかも知れないですね。 サブタイトルにもついていますが、人がどうやって正義を捨てていくのかが見事に描かれた作品だと思います。もちろん、やっぱりライアン・ゴズリングもかっこいいし、個人的にも大満足の一作でした。政界を描いた作品とはいえ、ストーリーが難しいわけではないのでぜひ多くの方に観て欲しいと思います。 |
サスペンスとしてハラハラドキドキを楽しめる映画なので、デートで観るのもありですが、舞台が政界なので真面目に観るタイプの映画です。心理戦がおもしろい映画なので、展開についていくにはおつむの回転に自信がないカップルには不向きかも(笑)。あと政治のことを話し出したら止まらない旦那や彼氏と行くと、純粋に映画として楽しみたいだけの方にとっては、ちょっと厄介かも知れません(苦笑)。とはいえ、お話自体が難しいわけではないので、2人ともおもしろそうだと思ったら、ぜひ観てください。 |
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2012.2.26 TEXT by Myson