2017年9月22日より全国公開
ポニーキャニオン
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冒頭からの9割くらいが、ダニエル・ラドクリフとポール・ダノの二人芝居で構成されていて、ダニエル・ラドクリフはなんと死体役。登場シーンから死体なので、「演技するところはあるのかしら?」と思っていたら、ちゃんとあるんです。設定自体がかなりユニークなのですが、死体を演じるダニエル・ラドクリフもかなりぶっ飛んでいます。ハリー・ポッターを演じて名を馳せたダニエル・ラドクリフが、こんな役をやっても良いのかな〜と思えるほどに、ある意味体当たりの演技(笑)。尻毛もしっかり映ってしまっていて、今後の彼のイメージが心配でありつつ、一皮むけた俳優としての活躍にも期待を感じました。そして、共演のポール・ダノも素晴らしい演技。主演2人の演技と、奇妙な世界観に引き込まれます。喜劇でありつつ、悲劇である本作。生きたいけど死にたい、死にたいけど生きたい…ともがく人間の姿が極端な形で描かれてはいますが、誰もが心の奥に抱える心情を表していて、哲学的に観ても楽しめます。 |
とてもユニークな設定の映画ですが、好みは分かれるでしょう。下品な笑いもあり、頭が堅い人を誘うと反応が読めないので、笑いに寛容な人を誘いましょう。また人間が持つ重い感情が根底に描かれているので、見応えはありますが、理解度に幅が出そうです。観終わった後に同じレベルで語りたい人は、デートではなく映画を観慣れている人と一緒に観るほうが良いでしょう。 |
キッズやティーンの皆さんが喜びそうな笑いが満載ではありますが、大人からはぜひ観てくださいと言いづらい内容も含まれています。でも、絶望的な状況に陥った主人公が、ある救いを受けて、再び生きようとする姿は共感できるものがあるでしょう。本作に描かれたメッセージをどこまで理解できるかはわかりませんが、心で感じるままに観てもらえればと思います。 |
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2017.8.30 TEXT by Myson