2014年10月11日より全国公開
『ザ・テノール 真実の物語』プロジェクト
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今も健在でいらっしゃる韓国のオペラ歌手ベー・チェチョル氏の実話をもとに描かれた本作。類い希な美声で一躍有名になった主人公が、これからという矢先に癌のため声を失うというストーリーです。声を失った主人公べーが、才能を与えておいてどうしてこんな目に遭わせるのかと神さまに訴えるセリフもありましたが、それが運命であるかのような特別な才能を持って生まれた人は逆に人生の選択肢が少ないので本当に辛いですね。それは、才能があって、その道を愛している人にはなおさらです。そして完璧な状態でステージに立ちたいという彼の思いはプロとして当然のアイデンティティだと思いますが、声をなくしたあとの彼にとってはその気持ちが足かせになります。本作は、そんな主人公べーの苦悩する姿を通して、芸術の真髄、人を感動させるとはどういうことかを描いています。あと、個人的にはべーを支える日本人プロデューサー沢田のキャラクターにも共感しました。彼にも夢があり、経営者としての立場もあり周囲に反対されながらもべーを信じて支え続けます。表舞台に立つ人、裏方の人、夢を追う人、夢に破れた人、夢を持つ人を支える立場の人…観る人の視点によって見どころがいろいろあり、オペラをよく知らなくても心で感じるものがある作品です。 |
実話を映画化したドラマチックな物語を楽しむも良し、良質な音楽を楽しむも良し、夢を追うキャラクターたちの気持ちになって観るも良し、観る人によって見どころが違いますが、誰にでも楽しめる作品なので、デートで観るのも良いでしょう。カップルや夫婦として、主人公べーと、彼を支える妻との関係は参考になる点もあります。仕事や将来目指していることで落ち込みがちな彼氏や旦那を連れて行くと、前向きになれるきっかけにもできると思いますよ。 |
人生経験を重ねた人の方がより共感しやすい内容であることはもちろんですが、老若男女問わず共感できるストーリーです。特に幼い頃から天才少年、天才少女と言われて育ってきたキッズやティーンの皆さんには、感情移入する点が多くあると思います。ただナーバスになりやすいタイプの人には、将来自分にもこういうことが起きてしまったらどうしようと余計な心配に変わってしまうかも知れないので、もう少し大人になって客観視できるようになってから観ましょう。将来夢がある人は、夢を叶えて成功してもまだまだいろいろなことが起こりうるけれど、自分次第で乗り越えられるということを感じて欲しいです。 |
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2014.10.8 TEXT by Myson