2015年11月27日DVDリリース、12月4日レンタル開始
マクザム
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テレーズの罪 [DVD]
タイトルにある“テレーズの罪”とはどういうことなのかと考えながら観ましたが、どの人物の視点で観るかによって、いろいろな見え方があるように思います。女性に自由がない時代に生まれ、政略結婚した主人公のテレーズが、時代に合った女性の生き方を受け入れているようで、でも内心ではすごく縛られて苦しんでいる姿を観て、彼女の不幸がより重く感じられました。彼女と子どもの関係も、一見とても冷たくて距離を感じますが、愛に飢えている彼女がこうなってしまうのは無意識の防衛反応なのかなと思ったり、理解し難いけれど、何となくわからなくもない複雑な心情がとてもリアルに描き出されていました。ラストでは、妻であり、母である以前に、女性であること。彼女はまずそれを望んでいたのかなと思いましたが、こういう悶々とした状況に陥っている女性は、いつの時代もいると思います。囚われているような感覚に陥って悶々としている女性は、客観視の材料に観てみてください。 |
じわじわと展開するストーリーで、正直なところとても地味な内容です。ある女性の内面の動きに注視して観て欲しいので、1人でじっくり鑑賞することをオススメします。また、女性目線が中心となっていて、男性が観てもピンとこない心情が描かれている点で、一緒に観るとしても女性同士が良いでしょう。 |
大人でもこういう心情になった経験がちらっとでも無いと、感情移入しづらい可能性もあるので、ここで描かれている主人公の心情は、キッズやティーンならなおさらまだイメージし難いと思います。でも、ノーベル文学賞作家 フランソワ・モーリアックの代表作を映像化したという点で、文学好きなティーンは興味があれば観てみても良いでしょう。 |
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2015.11.24 TEXT by Myson