2014年10月25日より全国順次公開
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2014年現在、25歳のグザヴィエ・ドランは、6歳で俳優デビュー、19歳のときに主演も兼ねて撮った初監督作『マイ・マザー』(2009年)でカンヌ国際映画祭の3つの賞を受賞、その後の作品も名だたる映画祭で受賞するなど、生まれながらの天才といってもいい映画人。本作でもその才能を存分に発揮していますが、心理描写が本当にお見事!物語は、交通事故で亡くなった恋人ギョームの葬儀のために、彼の実家に向かった主人公のトムが、ギョームと同性愛で結ばれていたことを隠したまま彼の家族との数日を過ごすという内容。ただ葬儀にきただけのトムが、だんだんと狂気の世界へ囚われていく展開に緊張感が高まりつつ、そこから逃げるはずが感覚が麻痺していくトムの変貌に焦り、どんな結末を迎えるのかハラハラ見守る思いで鑑賞しました。そんな異常な状態のトムの心の移り変わりがあまりにも自然で、観ている側もいつ切り替わったのかわからない状況に良い意味で戸惑いを感じます。演出、脚本、演技と、全てが素晴らしいグザヴィエ・ドラン。共演の役者陣の演技も素晴らしかったです。とても見応えのある、センスの良い作品です。 |
特別デート向きというわけでもありませんが、デートで観ても問題ありません。内容も難しい部分はないので、シリアスなドラマが好きかどうかという問題だけでしょう。露骨に映ることはないですが、暴力的描写もあるので心理的な緊迫感があり、そういうのが苦手な相手の場合は敢えてデートで観るべきではないでしょう。 |
トムとギョームの関係性は言葉ではっきり出てこずにだんだんとわかってきますが、同性愛ということ自体、まだ理解が難しいキッズやティーンは、もう少し大人になってから観てください。大学生くらいなら充分に楽しめる内容で、心理描写に長けている作品なので、主人公の心理が何に影響されて変化しているのかなど考えながら観るとよりおもしろさがわかります。 |
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■TJE Selection イイ男セレクション/グザヴィエ・ドラン
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2014.10.6 TEXT by Myson