2012年11月10日より全国公開/PG-12
ギャガ
公式サイト 予告編
全体的な雰囲気はかわいらしいのですが、自殺というキーワードで描かれるシーンは絵画的に表現されシュールでした。一方、不器用なキャラクターたちのそれぞれの恋心は、時代の影響も受けて、苦難の道へ進むので切ないですが、秘めた愛が描かれている点で温かさも感じる作品で、独特の世界観が楽しめました。 印象に残ったセリフは「失ったものはすべて君のなかにある」という、主人公が師匠に言われる言葉です。バイオリン奏者の主人公は、彼にとってある大きなできごとを経験し、絶望に浸ってしまいますが、彼がこの経験のあとに奏でるメロディには言葉では言い表せないものが詰まっていて、人々の心を掴みます。このシーンで、「どんなに辛いことがあっても、何かを失っても、それは自分自身のなかに何かしらの形になって残っている。何事も無駄にはならない」としみじみと感じさせられました。いろいろなことを経験してこられた大人の方には、特にじんわりくる作品です。 |
悲恋が描かれたロマンチックなストーリーなので、ムードはデート向きですが、明るいファンタジーというわけではないし、暗いキーワードも出てくるので、テンションの高いデートの日には向いていません。ですが、昔の恋人とヨリを戻したカップル、親の大反対の末に結ばれたカップルは、共感する部分がありそうなので二人で観ると良いでしょう。 |
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2012.11.8 TEXT by Myson