2017年11月18日より全国公開
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『小野寺の弟・小野寺の姉』の西田征史監督による長編映画第2作。2006年に上演された同名戯曲を、舞台の作&演出も務めた西田監督自身が映画用に書き換えた作品です。主人公のはじめ(丸山隆平)は、かつては泥棒稼業に手を染めていたものの、今は更正して恋人の美沙(高畑光希)と幸せに暮らしています。しかし、昔の仲間から脅されて、再び悪事の片棒を担ぐことに…。お人好しでいかにも運の悪そうなはじめですが、案の定、盗みに入った絵本作家の前園俊太郎(市村正親)の豪邸で、家主の前園や珍客達と次々に出くわしてしまいます。万事休すと思いきや、なぜか全員がはじめを別の誰かと勘違い(笑)。自分が泥棒だとバレたくないはじめは、必死でその人物を演じる羽目に…。ストーリーの大半は豪邸の一室で展開され、一見つじつまが合っているようで、全く噛み合っていない会話劇がテンポ良く繰り広げられていきます。幾重にも層をなす勘違いと嘘のなかに、登場人物それぞれの心情や過去が垣間見える脚本は実に絶妙。さらに、マッシュルームカットで裸エプロン姿まで披露してしまう市村を筆頭に、ユースケ・サンタマリア、石橋杏奈、宮川大輔らが個性的なキャラクターに成りきり、作品の魅力を大きく底上げしています。本作で映画単独初主演を飾る関ジャニ∞の丸山もちょっぴり情けなくて愛敬たっぷりの主人公を好演していて、今後の映画界での活躍に期待が高まります。舞台版の「泥棒役者」で主人公を演じたラーメンズの片桐仁が前園家の隣人として登場したり、 “あの2人”がカメオ出演していたりと、西田作品のファンならば「あっ!」と思うシーンも必見ですよ。 |
気軽に観られるコメディ作品は、デートで鑑賞するのにもピッタリです。ラブストーリーが主軸ではないものの、不器用なはじめの愛情と、彼をまっすぐに信じる美沙の関係性がとてもステキです。付き合いたてのカップルならお互いを思う気持ちを刺激してくれるかも知れませんし、ちょっぴり倦怠期気味のカップルで観れば、相手に対するシンプルな愛情を思い出させてくれるかも知れません。出演シーンこそ多くないものの、美沙を演じた高畑光希の魅力が光っていて、彼女のファンならば必見の作品と言えるでしょう。 |
関ジャニ∞の丸山隆平の主演作ということで、関ジャニファンのキッズやティーンならすでに興味津々だと思いますが、ファンならずともオススメしたい作品です。お友達同士で観ても、親子で観ても気まずくなるようなシーンはありませんし(市村正親の裸エプロン姿については保護者の判断に委ねますが・笑)、笑いのなかに心温まるエピソードを織り込んだ人情喜劇で、老若男女問わず楽しめること請け合いの作品です。 |
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© 2017「泥棒役者」製作委員会
2017.11.15 TEXT by min