2017年7月1日より全国公開/PG-12
クロックワークス
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ゾンビものは好きなので、いろいろ観てきましたが、自然の摂理で考えるとこういう物語はあり得ると私も思っていたので、興味深く観ることができました。ユートピアではなく、ディストピアというタイトルになっている意味、“パンドラの少女”となっている意味がしっかり描かれていて、わかりやすいと同時に、描いているテーマは大変深いので見応えがありました。ゾンビものを観る度に、人間のままでいるのか、いっそゾンビになってしまうのか、どちらが幸せなんだろうと考えますが、極端な解釈をすると、ゾンビという例えであるから抵抗感があるのであって、新種と思うと感じ方が変わってくるのかも知れないと、本作を観て思いました。クライマックスで描かれる、主人公の少女の大胆な行動は絶望的に思えますが、ある意味この方法しかないと思えるのも正直なところで、不条理なストーリーながら共感できました。ゾッとするラストではありますが、こうやってどんどん世界は生まれ変わっていくのだと、極端な描写で時代の変化と現実を見せられた気分になる映画です。 |
ゾンビのカテゴリーに入るので好みは大きく分かれると思いますが、テーマが深いので見応えがあります。ゾンビ映画には軽くてギャグっぽいものと、ゾンビという例えを使って人間ドラマを深く描くパターンと、大きく分けて2つありますが、これは後者。鑑賞後に語り甲斐がある内容なので、片方がゾンビ映画を観ず嫌いというカップルは、これを機に一緒に観てみると良いのではないでしょうか。 |
PG-12なので、12歳未満の人は大人と一緒に観てください。とはいえ、キッズにはちょっと衝撃的な内容なので無理をせず、中学生くらいになってから観るほうが良いと思います。ゾンビ映画はとても奥深いジャンルです。本作は子ども達が主人公ということもあり、皆さんも感情移入して観やすいと思います。人間と、そうでない者の違いとは一体何なのか。映画は極端な描写になっていますが、解釈を変えれば、私達の日常にも当てはめて考えられるテーマなので、皆さんも本作を観て考えてみてください。 |
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2017.6.21 TEXT by Myson