2011年10月1日より全国公開
アスミック・エース
公式サイト
なぜ主人公ニイニイは、高校生たちのためにそこまでするのか…。それは徐々に明かされていくんですが、本作では「夢」が1つのキーワードになっています。自分の夢を持つ人、自分の夢はわかなかったり漠然としている人、いろいろいるけれど、夢に関わる方法はいろいろとあるんだなとこの映画を観て考えさせられました。主人公は、「夢を持つ人が夢を叶えるのを見るのが自分の夢」というタイプで、でも自分以外の人の夢のためにここまでできるって本当にすごいと思いました。そして、心に刺さったのが地元の高校生が“夢を持とうと思ってもここには何もない。自分たちがこんな風に考えるのは大人のせいだ”というようなことを主人公に向かって言うシーン。大人としての責任を感じてしまいました。夢を見ろとか立派に生きろとか言うのは簡単だけれど、夢が見られるような社会になっているかとか、最終的には本人の問題にしても、少なからず大人としてやってあげられることはあるなと思いました。だから、主人公は私財を投げ打って、その言葉に応えようとするんですが、「人が困っていても関わろうとしない社会になっているけれど、それではいけない。自分がこういうことをすることによって、若者も人のためになるような行動ができる人になってくれるかもしれない」そんな想いを語るシーンにもじ〜んと来ました。 この映画は実話ですが、映画の企画が上がったとき、まさかご本人が亡くなられるとは思っていなかったみたいですね。ドラマみたいなストーリーだと思う方もいるかも知れませんが、別にもてはやされたくてやっていたわけでもなくて、ただ人のために夢のお手伝いをしていた仲宗根さん(主人公のモデルとなった方)。私は自分自身の夢を追いかけるタイプの人間ですが、仲宗根さんのように夢を支えて下さる方が私の回りにも数々いたこと、これからも支えてくださること、そのことにもとても感謝の気持ちでいっぱいになったし、自分の夢ばっかりでなく同じく夢を持つ人の力になれるように自分もならなければと思いました。 |
主人公は、嫁の立場からするととっても大変な相手だと思います。スポットは主人公に当てられていますが、奥さんもかなりすごい方だと思います。夫自身の夢ならまだしも、他人の夢のために私財を投げうる旦那のために、自分の家族が苦労するとなると黙っていられるわけがありません。でも、こういう人だからきっと好きになったんだしという愛があるから、支えていけるんですよね。そんな夫婦愛も学べる作品です。彼氏や旦那が夢を語っていたら、どんなに突飛なことでも一度ちゃんと聞いてあげようと思えるだろうし、逆に彼氏や旦那さんも彼女や奥さんがどんなに大変かを客観視できるかも知れません。ウキウキデートという感じで観る映画ではないですが、真剣交際の間柄で観るのに良いと思います。 |
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2011.9.3 TEXT by Myson