2011年3月18日より全国公開
パラマウント ピクチャーズ ジャパン
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コーエン兄弟監督作らしいユーモアのある作品で楽しかったです。ほとんどの人物が土まみれのひげ面でむさ苦しいのですが(笑)、14歳のマティという少女の存在が良いスパイスになって、雰囲気をかなり変えています。 冒頭のマティの値切り交渉が見ていて痛快で、こんな子がいたら面倒くさいけど、自分の味方だったら良いなと頼もしく思えました。このあたりのシーンが彼女のキャラクターを表現する重要なポイントになってくるのですが、コーエン兄弟らしいうまい演出だと思いました。そして何よりもマティを演じるヘイリー・スタインフェルドの演技がすごいです。ジェフ・ブリッジス、マット・デイモン、ジョシュ・ブローリンと共演するという大役ながら、彼女にとっては映画デビュー作なのに全然負けてません。14歳の少女とちょっと問題のあるダメな大人が1つの目的のために共に旅をするストーリーなのですが、彼女が彼らを頼っているはずなのに、たまに彼女が彼らの面倒を見ていると思えるほどに大人というか母性が見え隠れするのがおもしろかったです。あと、びっくりしたのがイケメン俳優だという印象が強かったバリー・ペッパーがネッドという小汚い悪党として登場します。誰だか全然気付かないほどに小汚いのでぜひご注目を。 映画の総合的な感想としては、勇気と元気をもらえる映画で楽しかったですが、ちょっと旅の距離感がわからなかったのが残念です。話の展開が意外に早いので、どれくらい離れたところに旅しているのかがあまりピンと来ず、そのあたりがわかればクライマックスの感じ方がもっと違ったかも知れません。でも、これは男が好きな映画に見えて、女子の映画なのでぜひ映画好き女子には観て欲しいですね。 |
ロマンチックな要素はないですが、デートで観ても楽しい映画です。見た目から勝手に先入観を持ってしまう人もいるかも知れませんが、時代を関係なく楽しめる内容でユーモアの溢れる作品です。ただ、ちょっと痛さがリアルに描写されたシーンもあるのでそういうのが苦手な人は覚悟して見てください。監督ファンや、名優見たさに選ぶ映画ファンはもちろん、それに当てはまらない人でも意外に中学生とか高校生とか、主人公に近い年代も楽しめると思います。 |
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2011.2.17 TEXT by Myson