2014年7月12日より全国公開
ビターズ・エンド
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恋も仕事もうまくいかない主人公の悶々とした感情がとても身近に感じられて、慣れない海外で苦労しながらも日々を過ごすうちに気持ちが癒えていく過程も一緒に体験できるような映画でした。台湾の風景がとても綺麗で、食べ物も美味しそうという、旅モノとして期待通りの面があるのはもちろん、日本と台湾という違う国だけどどこか近い部分も多い国の人間が触れあうことで自分たちの長所も短所も客観視する様子に共感を覚えました。またモデルに憧れる高校生のトントンと、仕事に自信をなくし迷いがある26歳の藍子の比較も、働く者にとっては初心を思い出させてくれるモノがありました。必死で追いかけたい夢があるけれど親に反対されてしまい自分で好きにできないトントンと、自分で道が選べる大人になったけれどどこに進むべきかを迷う藍子。2人がそれぞれを思ってとる行動が、お互いを良い方向に導いていくというのは、やはり人の出会いの素晴らしい点で、そのタイミングも運命なんだなと、私自身の人生とも重ね合わせて観ることができました。派手な展開はありませんが、自転車で美しい景色を巡るうちに徐々に心が整理されていくような感覚を味わえる作品です。 |
ただただ日が過ぎていくなかで一旦立ち止まって考えてみるきっかけになるような映画なので、働き盛りで恋と仕事の両立に悩んでいるようなカップルだったら、敢えて2人で観てみると良いでしょう。でも、内容的には女性が1人でじっくり観て、自分の心を整理するのに良い映画です。自分だけで観るか、女子同士の旅を楽しむ感覚で観るのがオススメです。 |
まだキッズにはこの主人公たちの感覚はピンとこないかも知れません。中学生以上なら特にトントンの感覚は身近に感じられるのではないでしょうか?「将来こういう仕事がしたいな」と思うものがある人は、「自分だったら周囲に止められても頑張るか」など想像しながら観てみてください。夢がまだ見つからない人も焦ることなく、夢を持つって大変だけど楽しそうと思ってくれれば嬉しいです。 |
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■黒川芽以インタビュー
©2014 Dreamkid/好好看國際影藝
2014.7.8 TEXT by Myson